第9回自動車整備技能競技東京大会 |
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■第9回自動車整備技能競技東京大会成績
去る11月24日(日)、「東京都自動車整備教育会館」において、「第9回自動車整備技能競技東京大会」を開催した。 本大会は、去る10月16日(水)、都内2会場において開催した69名の選手による予選大会を勝ち抜いてきた上位16名の選手が出場、これまで磨いてきた技術の成果を競い合った。 午前10時の開会とともに、選手が入場、続いて選手紹介が行われると、会場内からは選手の健闘をたたえる拍手がおくられた。 |
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●開会宣言、優勝杯返還● | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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生亀常雄大会委員長より「本日の東京大会は、過日、精鋭69名が参加された予選大会の中から選抜された16名の選手が出場される。この『自動車整備教育会館』においてはじめての決勝大会でもあり、皆様にとっても名誉あることと考えている。是非、日頃研鑽された技能を発揮され、来年の全国大会で東京が優勝することを切に希望する」と開会宣言が行われた。 続いて、第8回自動車整備技能競技東京大会優勝者である、川井陽介選手〔(有)山崎モータース(八王子支部)〕より優勝杯、東京運輸支局長杯、日整連会長杯が返還された。
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●大会会長挨拶● |
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主催者を代表して挨拶に立った塩沢優介大会会長は、「皆様方は第1次予選から選抜された16名の方々である。この中から2名の全国大会へ出場する選手と6名の入賞者が決まる。皆様方は、日頃の仕事を通じて研鑽された技術や知識をしっかりと出し、悔いのないように頑張っていただきたい。自動車の技術は、低公害車や省燃費車等の新しい技術により、大変高度なものとなっている。新しい車を整備していくには整備技術も向上し、高度なものに対応していく力を備えていかなければならない。その意味では、本日の大会は整備技術の向上を促進し、車社会における整備の重要性についてお客さまのご理解と認識を高めていただき、整備技術に対する信頼を確立する有意義な大会である。皆様方は、今日はひょっとしたら、日頃忘れていた『感動』を思い出していただけるのではないかと思う。本当に一所懸命やれば、そこに何らかの答えがでてくる。それが新しい感動である。我々の商売はお客さま第一主義といわれるが、お客さまと我々とが感動を共有するということが大事である。その意味では技術力を高めることである。お客様は技術力を一番信頼している。お客様がお店を選択する理由は、近いとか人間関係もあるが、やはり一番が技術力である。言いかえれば、皆様方の技術力がお客さまに感動を与える。今日は、皆様方が忘れていたかも知れない『感動』を感じて、それを持ち帰り、明日からお客さまと感動を共有できるような競技であって欲しい。悔いのないような健闘を期待したい」と述べた。
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●来賓挨拶● | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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続いて、(社)日本自動車整備振興会連合会の石田富男教育部長は平沼康彦会長の祝辞を代読し「本年12月には1級自動車整備士技能検定試験が実施される運びとなった。年度内にはわが国の自動車整備士制度が施行されてから、初の1級自動車整備士が誕生する。1級受験者予想調査では、14年度の技能検定希望者数は約6千名であったが、受験者数も9千名を超え大幅に増えた。さらに、平成15年4月からは1級小型整備士課程の2種養成講習が始まる。振興会養成施設として、施設の効率的活用等、山積する課題を解決し、着実に実行することが求められている。特に振興会に課せられた役割は、単に1級整備士技能検定の実技免除養成機関に止まらず、自動車の整備技術革新に対応した整備業界を担う真の人材の育成と供給、さらには、1級整備士の方々にその高い能力を十二分に発揮していただくフィールドを用意する必要がある。そのためにも、平成16年度をめどに、自動車整備技術者認定資格制度を創設してこれに応えてまいりたい。この1級自動車整備士の誕生を起爆剤としてお客さまに信頼される新しい魅力ある整備事業の適正化を推進し、社会的な使命の達成を確実なものにしなければならない。幸いにも1級自動車整備士の養成内容である高度整備技術、情報提供としてのアドバイザー能力、環境保全に関する知識の習得とその活用は、これまで我々が整備業界として模索し築き上げてきた自動車整備技能競技大会の内容とまさに合致する。この自動車整備技能競技大会が今後とも継続実施され、業界における整備技術等の一層の向上と団結の場となって益々発展することを心から祈念する」と述べた。
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●競技要領説明、選手紹介、選手宣誓● | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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斉藤定夫競技委員長より「本大会は実技問題による個人競技である。1問の競技時間を15分として整備技術アドバイザー、故障診断、単体測定、電気回路からなる4問をもって1コースとし、4コースを設定している。競技時間は60分、移動時間は20分とする。実技競技の得点は300点満点だが、予選学科200点満点の得点に実技競技の得点を加えた総合得点により競技を実施する。本大会の上位入賞者には、大会会長が2名選抜し、来年11月に行われる全国大会参加に推薦する」と競技要領についての説明が行われた。
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●表彰式、講評、成績発表● |
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競技の厳正な審査が行われ、13時30分表彰式が執り行われた。 斉藤定夫設問部会長より「本日の競技内容は、全体から見ると、皆様が日頃仕事で営んでいる事であり、特別な機器等の使用はなかった。第1問の整備技術アドバイザーは、メカニックとして一番苦手とされている、口頭による接客対応の設問である。接客は日常上直接影響を与えるもので、慎重に言葉を選び、お客様の立場になって対処されることを望んだわけだが、80%以上の方が的確なアドバイスをされていたので、高得点な成績となった。二番目の故障診断技術は、当初は外部診断機を使用した問題を想定していたが、外部診断機の普及率が低いので、自己診断、車のオンボードテスターを使って故障原因を発見する。これについては、皆様が確実に故障部位を確認することができた。ただ、その中で故障部位を特定することについては、一部の方には少し時間が足りなかったようである第3問については、マイクロメータ、ノギスを使った測定だが、これについては従来通り実施されているので、問題なく全員の方ができていた。第4問の電気回路については、ブラックボックスの入出力を測定する設問だが、最近の車両は電気技術が非常に多く使われていて、皆さんもトランジスタ等の入出力については、普段の中での作業が増えていることであろうと思われる。これについては、90%以上の方が正解している。更なる研鑽を通じてこれからの整備業界を営まれることを望みたい」と講評が行われ、野村幸一審査委員長より成績が発表された。 引き続き表彰式が執り行われ、塩沢大会会長より入賞選手に表彰状が授与された。また、優勝選手には関東運輸局東京運輸支局長賞、日整連会長賞が贈られ、優勝、準優勝選手は平成15年11月8日(土)に東京国際展示場(東京ビッグサイト)において開催される全国大会東京代表出場選手として大会会長より推薦された。 |
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●来賓祝辞● |
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来賓の祝辞に立った向良一関東運輸局東京運輸支局長は「今や、自動車は国民生活の足として大変重要で、また社会的発展に欠くことのできないものとなっている。しかしながら、交通事故や交通渋滞、環境汚染等の問題が生じている。最近では特に二酸化炭素による地球温暖化やディーゼル車による環境問題、あるいはフロンによるオゾン層破壊の地球環境が大きく問題となっている。こういった中で自動車整備業界の皆様方は一生懸命仕事をされている。これからは安全や環境対策が皆様方のさらに大きな使命である。また、最近の自動車は電子技術が進歩して、従来の技術ではなかなか対応ができない状況になっている。その意味では本日の競技大会は大変有意義なものであると考えている。さらに皆様方のレベルアップを図っていただきたい。景気の低迷は長く続き、皆様方の業界も大変厳しいものと思っている。車の性能が良くなったとは言え、環境問題はさらに重要な仕事となるので、さらなるご尽力をお願いしたい。また、今年12月には1級自動車整備士技能検定が始まる。これからも、ますます整備技術を研鑽に努められ、高度な知識や技術をいかして自動車ユーザーのため、国民のために臨んでいただきたい」と述べた。 |
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●閉会の挨拶● |
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最後に天野佳男大会副会長は「本日はこの教育会館ができて初めて開催する決勝大会である。このような大会が盛大にできたことに対し、皆様に感謝したい。今日は子供さんがお父さんを応援している姿があり、厳粛な大会の中にも微笑ましい光景があった。16名の選手の皆様は、それぞれ予選を勝ち抜いてこられた方々であるが、ほとんど技術的には大差なかった。その中で6名の方々が入賞された。また、優勝された斉藤さん、準優勝の石川さんのお二人には、来年開催される全国大会に東京代表として出場されるが、惜しくも入賞されなかった方は、次回は東京代表として出場できるよう頑張っていただきたい」と閉会の挨拶を述べ、第9回自動車整備技能競技東京大会の幕は閉じられた。 |
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●選手の競技を見守る応援団(「お父さんガンバレ」と家族の暖かい応援を受けた石川選手はみごと準優勝)● |
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●決勝大会出場16名の選手● ●休憩時間中にシャシーダイナモのデモンストレーションを実施● |
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●設問● |
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第1問 整備技術アドバイザー
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第2問 故障診断
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第3問 測定
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第4問 電気回路
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