NO.243 平成9年3月15日号

1.ユーザー車検の苦情急増,運輸省が代行業者指導へ
2.米国,ブレーキ問題で不満,整備工場の緩和は歓迎
3.平成9年春の交通安全運動の実施について
4.運輸省,車検期間検討へ,4.5万台の不具合調査
5.日本経済新聞へ「鶴岡会長,長谷川慶太郎対談記事広告」を掲載
6.ニッポン放送「石川みゆきの企業インフォメーション」に鶴岡会長が出 演

1.ユーザー車検の苦情急増,運輸省が代行業者指導へ

 3月5日の共同通信経済ニュース速報によると,「ユーザー車検の代行を頼んだのに車がすぐ故障した」などユーザー車検に対する苦情が各地の消費者センターで増えている。

 特に目立つのが、本来は車を車検場まで運ぶだけの代行業者に対するケース。運輸省は悪質な業者に対する指導を強める一方、利用者にも注意を呼び掛けている。ユーザー車検は、利用者が整備工場などに委託せず、自分で車を自動車検査場へ運んで車検を受ける制度。車検制度の規制緩和として1995年7月、本格的にスタートした。

 整備工場に頼むより経費が安く済むことから95年度実績で年間約141万件を突破し、今後も増える傾向にあるという。ユーザー車検の普及に伴って代行業も急増。中には、整備資格を持たず、車の運搬しかできないのにもかかわらず、点検・整備まで代行しているかのようなチラシを配ったり、車検の結果には何の効力もない「車検保証書」まで発行している業者も現れている。

 一方、利用者側にも問題があるようだ。ユーザー車検は点検と整備は自己責任で行う義務があるが、「代行業者が点検・整備までやってくれるもの」と誤解しているケースもみられ、苦情や問い合わせが北海道、宮城、神奈川、京都、福岡など全国の消費者相談窓口に寄せられているという。

 この問題は、5日の衆議院予算委員会分科会(運輸省)でも金田誠一議員(民主)が取り上げ、古賀誠運輸相と荒谷俊昭自動車交通局長は「悪質な代行業者には厳正に対処したい」と答えている。                 


2.米国,ブレーキ問題で不満,整備工場の緩和は歓迎

 日米自動車協議において,ブレーキを分解整備の定義から除外するという米国の要望に,日本の運輸省が拒否した問題に対して,デーリー米商務長官とバシェフスキー米通商代表部(USTR)代表代行は3月3日、日本政府が2月20日に発表した自動車の専門認証工場制度新設などを歓迎する声明を発表した。

 これに関する各ニュース速報は以下のとおり。

●共同通信経済ニュース速報

「デイリー米商務長官とバーシェフスキ米通商代表代行は3日、日本の自動車整備の規制緩和について声明を発表し、運輸省の認証工場で整備しなければならない「重要保安部品」からブレーキ装置を除外する米側の要求を日本が拒否していることに強い不満を表明した。 バーシェフスキ代行は「受け入れがたい障壁がまだ残されていることは間違いない」と述べ、日本政府が一層の規制緩和に応じるよう今後も厳しく要求する姿勢を示した。

 ただ、先月運輸省が実施した規制緩和に関しては「自動車整備に多くの費用をかけている日本の消費者にとって利益をもたらすと同時に、米国企業の市場参入機会を拡大することにつながる」と歓迎した。

 日本側は1995年8月に結んだ日米自動車協定に基づき、ブレーキやエンジンなどすべての重要装置の整備を義務付けているこれまでの認証工場制度に、1つの装置だけの整備能力を備えた「専門認証工場」を追加するなどの規制緩和策を先月実施。ただ、ブレーキを重要保安部品から除外することは日本側が安全問題を理由に拒んでおり、米政府・自動車業界との対立が続いている。」

●読売新聞ニュース速報

 【ワシントン3日=国松徹】米通商代表部(USTR)は3日、日本の運輸省が先月決めたエンジンやブレーキなど特定部品専門の自動車分解整備工場を認める規制緩和措置を歓迎する声明を発表した。

 同時に、「これは日本の自動車分野の規制緩和の第一歩であり、今後も日本政府が95年の日米自動車合意を完全履行するよう求め続ける」(シャレーン・バシェフスキー代表代行)として、一段の緩和措置を求める意向を表明した。 また、ウィリアム・デイリー米商務長官は同じ声明文の中で、先に米自動車業界がブレーキ修理の完全自由化を運輸省に要請したが却下されたことについて、「我々は要請の再申請を支持する。運輸省が再考することを求める」と述べた。

●時事通信ニュース速報

 【ワシントン3日時事】デーリー米商務長官とバシェフスキー米通商代表部(USTR)代表代行は三日、日本政府が二月二十日に発表した自動車の専門認証工場制度新設などを歓迎する声明を発表した。しかし、声明は一方で、日本が自動車部品に関して一層の規制緩和措置を講じることが重要だと強調している。

 デーリー長官はこの中で、政府認定の整備工場での整備が義務付けられている「重要保安部品」からブレーキを除外するよう求めた米側の要望が、先に日本政府から拒否されたことに改めて失望感を表明した。バシェフスキー代表代行は「専門認証工場制度は日本の消費者に利益をもたらすための一つのステップだ。日本の消費者は自動車に関して、あまりに高い維持費を払っている」と語った。

 専門認証工場制度は、政府認定の整備工場での整備が義務付けられている七種類の「重要保安部品」に関して、特定の部品専門の整備工場を認めたもの。従来の整備工場は全部品の整備を行うことが前提だった。1995年8月の日米自動車・同部品合意に基づき、日本政府が実施を決めた。


3.平成9年春の交通安全運動の実施について

 平成9年春の交通安全運動は,4月6日(日)〜15日(火)までの10日間にわたり実施される。

運動期間中の自動車整備事業者の実施細目は「資料1」のとおり。


4.運輸省,車検期間検討へ,4.5万台の不具合調査

 運輸省は営業用車両やレンタカーなどの車検期間を検討するため,トラック,バス,レンタ・リース車を対象に不具合状況調査を実施する。

 調査は車検車両の整備前の状況を確認し,保安基準不適合箇所を集約するもので,4月末までに各陸運支局を通じて提出してもらい,集計・分析する。

 営業用車両などのデータ収集は「トラック,バス,タクシー,レンタカーの各業界に全面的な協力をお願いし,分野ごとのデータをこれから本格的に調べ,掘り下げたデータを収集し,最終的に判断する」としている。

 車検期間検討調査に関する新聞記事は「資料2」のとおり。


5.日本経済新聞へ「鶴岡会長,長谷川慶太郎対談記事広告」を掲載

 法規税制対策事業の一環として,マスコミを活用した点検整備促進PRを実施しているが,今般,鶴岡会長と経済評論家の長谷川慶太郎先生による対談記事を来る3月22日(土)の日本経済新聞朝刊において掲載することとなった。

 この記事は去る3月3日,都内のホテルにおいて鶴岡会長と長谷川先生が対談を行った様子を収録したもので,日本経済新聞の東京版朝刊(全7段)に掲載を予定している。

 対談の内容は,「規制緩和と自己責任」を表題に〜法改正2年の経過のなかで〜を副題とし『車検規制は社会的な安全規制』,『効くブレーキほど良く減る』,『規制緩和とドライバー責任』,『早期発見,早期治療』をテーマとしている。

 3月22日(土)の日本経済新聞東京版(東京都全域)朝刊に掲載が予定される記事は「資料3」のとおり。


6.ニッポン放送「石川みゆきの企業インフォメーション」に鶴岡会長が出演

 ニッポン放送,朝の番組「高島ひでたけの中年探偵団」のコーナー「石川みゆきの企業インフォメーション」では,企業情報や新商品,新サービス,キャンペーンなどに関連した情報を紹介しているが,今般,振興会法規税制対策事業の一環として,規制緩和による自動車の自己管理責任と自動車整備の重要性を広くアピールすることを目的に,鶴岡会長が同番組に出演することを決定した。

 「石川みゆきの企業インフォメーション」は,中年探偵団のアシスタントである石川みゆきアナウンサーが,「聴き得!ビジネスレポート」と題し,毎週土曜日,午前6時30分より2分間にわたり,各企業や団体の出演者を相手に,企業情報を紹介するもの。

 ■放送局  ニッポン放送(1242Kz)

 ■放送日  平成9年3月29日(土),4月5日(土)

 ■放送時間 午前6時30分(2分間コーナー)