NO.254  9年9月15日号

1.日米自動車部品問題で,運輸省が返書「ブレーキ整備規制撤廃の米要  求を拒否」

2.専門認証取得工場数,SSなど中心に拡大,7月末現在で60カ所

3.トラックのタイヤ整備不良率が急上昇

4.平成9年度自動車点検整備促進全国キャンペーン,ラジオ・スポット放  送中

5.振興会関東ブロック共同広報,雑誌・週刊誌等コマーシャル展開中

6.日本経済新聞記事より「車検簡素化で荒波,自動車整備工場が変わる」

7.「税金いやだ,車検切れ車に3年」税金を支払わない男性,現行犯逮  捕される

1.日米自動車部品問題で,運輸省が返書「ブレーキ整備規制撤廃の米要求を拒否」

 運輸省は9月10日,ブレーキなど自動車部品に関する規制撤廃などを求めた米通商代表部(USTR)代表からの8月の書簡に対し,要求を拒否する古賀誠運輸相の書簡を8日付で米国政府に送ったと発表した。

 米国側の要求は,(1)認証整備工場で取り付けることが事実上義務づけられている分解整備部品の対象からブレーキ部品を除外する(2)自動車整備士資格の一括取得方式を改め,エンジンなど分野ごとに取得できる制度を創設する…の2点が中心だった。

 運輸相の返書は,ブレーキ部品の除外を認めれば、整備士以外の整備が可能となり,安全上の問題が生じる,分野別の整備士資格は受験者の負担が増える,等を理由に,米側の要求を認めなかった。

 こうした米国側の要求は,10月に米国で開かれる日米自動車・同部品協議の点検会合でも取り上げられる見通し。米国は,日本のブレーキ部品についての規制緩和は不十分と主張していることから今後,この問題が再燃する可能性がある。

 運輸省が9月10日に記者発表した「自動車補修部品に関する米通商代表等からの運輸大臣宛書簡に対する返書について」は「資料1」のとおり。

2.専門認証取得工場数,SSなど中心に拡大,7月末現在で60カ所

 特定部品専門の認証工場制度による整備工場数が拡大を続けている。

 運輸省が発表した7月末現在の専門認証工場数は,全国で60カ所となった。用品販売,ガソリンスタンド(SS)を中心に,車体整備工場,大型車整備のため同制度を活用するケースが目立っている。1カ月で10カ所以上のペースで増加する一方,専門認証を取得した工場がない地域もある。また,その内訳も地域ごとに特色が出始めている。

 7月末の専門認証工場数は対前月比で16カ所増の60カ所。このうち業種別で見ると,自動車用品販売店で15カ所,SSで13カ所,その他が32カ所となっている。

 運輸局管内別では,関東が14カ所でトップとなり,続いて北海道,中部の10カ所,近畿の8カ所の順となっている。反面,沖縄管内では専門認証が1件もない現況である。(日刊自動車新聞より)

◆専門認証取得状況(平成9年7月末現在)

   運輸局 専門認証取得  主 な 内 訳

       事 業 所 数  自動車用品販売店 ガソリンスタンド その他

北海道   10(1) 8(1) (−) 2(−)

東 北   5(2) 1(1) (−) 4(1)

新 潟   1(−) (−) (−) 1(−)

関 東   14(5) 3(1) 5(1) 6(3)

中 部   10(2) (−) 5(2) 5(−)

近 畿   9(4) (−) (−) 9(4)

中 国   8(2) 3(−) 2(1) 3(1)

四 国   1(−) (−) (−) 1(−)

九 州   2(−) (−) 1(−) 1(−)

沖 縄    (−) (−) (−) (−)

   全国計 60(16) 15(3) 13(4) 32(9)

  ※カッコ内は前月末との増減を示す。

3.トラックのタイヤ整備不良率が急上昇

 トラックのタイヤ整備不良率が急上昇している。

 日本自動車タイヤ協会が行った東名高速におけるタイヤ点検アンケート調査では,乗用車,観光バス,トラックの3部門ともにタイヤの整備不良率が昨年に比べ上昇,とりわけトラックで溝不足や異常摩耗のまま走り続けているケースが増加していることが明らかになった。

 この調査によると,トラックではタイヤの溝不足が19.2%とほぼ5台に1台。異常摩耗も13.1%とこれに次ぎ,溝不足と合わせほぼ3台に1台は“使い過ぎ"のタイヤを使用している実態も浮かび上がっている。

 東名高速におけるタイヤ点検結果等は「資料2」のとおり。

乗用車では空気圧の不足及び過多が最も多かった。

4.平成9年度自動車点検整備促進全国キャンペーン,ラジオ・スポット放送中

 日整連では,平成9年度自動車点検整備促進全国キャンペーンのラジオ・コマーシャルとして,文化放送をキー局として9月1日から30日までの1カ月間(土日を除く),「点検整備の啓蒙」と「点検教室のPR」を目的とした20秒スポットを放送している。

  放送局名  文化放送(33局)

  放送期日  9月1日〜1カ月間

  放送番組名 『松崎しげる 陽気にGENKI』

《コピー内容》

◆点検整備の啓蒙

(女性)今日はドライブ!

(SE)エンジンがかからない音

(女性)アレーッ!,エンジンがかからない。

    な〜んてコトにならないように,

    点検整備でクルマの健康チェックをしておきましょう!

(男性)只今,マイカー点検キャンペーン実施中!

    点検で クルマと地球の 健康管理

    自動車整備振興会でした。

◆点検教室PR

(男性)只今,マイカー点検教室開催中です。

(SE)エンジンがかからない音

(女性)こんな時,さあ,どうする!?

    バッテリー上がりやパンクなど,いろ〜んなトラブルの対処法はもち    ろん!日常点検のやり方も学べます!

(男性)お問い合わせは,各都道府県の自動車整備振興会へ!

 また,このキャンペーンの一環として,日整連では8月31日(日)の毎日新聞において,新聞全段(1頁)のコマーシャルを掲載した。

 毎日新聞に掲載された毎日新聞広告は「資料3」のとおり。

5.振興会関東ブロック共同広報,雑誌・週刊誌等コマーシャル展開中

 本年度4月の文化放送日曜ナイターにおけるコマーシャルを皮切りに,振興会関東ブロックの共同広報を実施中であるが,8月から11月にかけて,雑誌・週刊誌等によるコマーシャル活動を展開している。

 既にお知らせ申し上げたように,コマーシャルは3パターンを制作し,それぞれの雑誌の購読層にあわせた掲載を行っている。

 今後の発売予定日は以下のとおり。

 9月16日(火) 週刊朝日

   25日(木) ビックコミック

 10月2日(木) 週刊宝石

   7日(火) ゴルフダイジェスト

   13日(月) 週刊現代

   21日(火) 週刊女性

   31日(金) フライデー

 11月6日(木) 週刊文春

   11日(火) 週刊読売

   18日(火) サンデー毎日

   25日(火) 女性自身

6.日本経済新聞記事より「車検簡素化で荒波,自動車整備工場が変わる」

 9月11日付けの日本経済新聞では,「平成7年の車両法改正による点検・整備制度の簡素化により,業界の収入は減少していることから,消費者に親しまれるように生まれ変わらなければ生き残れない状況になってきたため,整備業界では新しいイメージを導入し,車検を待っている間,無料のカラオケやサウナ,喫茶コーナーなどを備えた整備工場が登場した」といった内容の記事を掲載した。

 また,「日整連のニューイメージ,“oasis"を取り上げ,車検制度によって黙っていても収入があった整備業者が,本格的なサービス業に生まれ変わろうとしている」としている。

 9月11日付けの日経新聞記事は「資料4」のとおり。

7.「税金いやだ,車検切れ車に3年」税金を支払わない男性,現行犯逮捕される

 9月10日付けの読売新聞の報道によると,「車検の有効期限が切れているにもかかわらず約3年間も仕事にワゴン車を使っていたとして,36歳の男性が道路運送車両法違反で現行犯逮捕された」

 この男性は「ガソリン入れる度に税金を払っているのだから,車検を受けると必要になる自動車重量税や保険料を払いたくなかった」と供述している。悪質で反省もしていないとして異例の逮捕となった。