NO.266 平成10年4月1日号

1.「車検フォーラム」開催される

2.トラック等の車検期間延長問題に関して,日整連が自民党関係有力議員へ説明

3.新規制緩和3カ年計画の主要項目に「車検の有効期間の延長」が盛り込まれる

4.死亡ひき逃げ事件捜査協力方依頼

5.4月の行事予定(3月23日現在)


1.「車検フォーラム」開催される

 運輸省主催の「フォーラム『車検』を考える」が,去る3月19日(木),13時30分よりKKR HOTEL TOKYOにおいて開催された。

 今回の「車検フォーラム」は,前回のフォーラム同様,トラックの車検有効期間延長に関して,幅広く一般の方々から意見を聴取するために開催されたもので,トラック等を中心に検査時の不具合等の使用実態に関する「自動車の検査・点検整備に関する基礎調査検討会(座長=下川浩一法政大学教授)」が実施したトラック等の使用実態分析結果の概要説明,あわせて自動車関連団体代表や自動車評論家による「パネルディスカッション」が行われた。

 パネルディスカッションに先立ち,下川教授より,トラックを中心に約41万台の車両について調査した車検時の不具合発生状況などの分析結果概要が発表された。分析結果においては,トラック等の車検有効期間が,1年から2年に延長(初回のみ2年とした場合と全てを2年とした場合等)された場合などに予想される,「交通事故」,「交通渋滞」,「環境汚染」などへの影響がシュミレーションされ,いずれの場合も,交通事故,交通渋滞の増加,環境汚染への悪化をたどることが発表された。

 パネルディスカッションにおいては,下川教授のほか,自動車評論家の舘内端氏,全日本トラック協会の鈴木成正氏,日本自動車連盟の林広敏氏,日本自動車工業会の平嶋健三氏,運輸省自動車局の宮嵜拓郎氏,整備業界を代表(日整連)して本会鶴岡会長がパネラーとして出席された。

 パネラーからは,「車検の期間については,こと自家用乗用車に関する限りは妥当であり,見直しは必要ない。地球環境の面からも車検延長は慎重にすべきである。整備については,車検時にまとめて行うという傾向があるが,日常から点検整備を心掛け,費用の平準化を図る必要がある。(林)」,「トラック事業者は,トラックが唯一の生産手段である。トラックが故障するということは,生産のストップにもつながる。したがって,トラック業者は日常の点検整備を,きちんと行っている,また,整備管理者が義務付けられていることから,日頃の運行管理は厳しくチェックしている。トラックの車検期間については,初年度を2年にしていただきたい(鈴木)」,「車検制度は必要である。故障してから整備をするのでは費用が高くつく。点検項目及び検査のピッチは妥当であると思う。自動車の部品には,摩耗部品と劣化部品がある。これらの部品は外からでは判断しにくく,定期的な交換が必要である。クルマの寿命は,使い方や日常の保守管理によって左右される。点検整備は健康管理と同じである。車検期間の延長は,慎重に検討すべきである(平嶋)」「車検期間延長の論議が不明確であり,とまどいを感じる。規制緩和は,手段であり目的ではない。一番大切なことは,国民の暮らしをイキイキとさせ,安全を守って,子孫のために公害を防止することである。自分の車の排ガスを気にして走っている人はほとんどいない。車検の機会がないと,排ガス問題は良い方向へは解決しない。自己管理責任をもって点検整備をしている人は数少ない。車検時に不健康な車両が多く発見されるが,不健康な車の整備は当然時間も多くかかる。健康維持のため,また自分達の稼働率をあげるのであれば,定期的に整備することが必要である。(鶴岡)」,「将来,燃料電池を使用した新しいタイプの自動車が登場する。これからは車検の意味合いも変わってくる。時代の変化を考慮し,継続的に車検問題を論議する必要がある。ヨーロッパでは車検を見直したり,新たに取り入れたりしている国もある。交通事故は見えるが,環境問題は,目には見えにくい損失である。これをどう管理するかが,今後問われる。(舘内)」等の意見がパネラーにより述べられた。

 また,当日は300人あまりの一般参加があり,会場とパネラーを混じえての自由討論が行われた。会場からは,「トラックの車検期間が検討されているが,乗用車も含まれているのか」「車検制度が次々と変化していくので,今後の経営の見通しがつかない」「きちんとクルマを整備している運転手もいる。画一的にきめるのではなく,用途別,車種別に考えるべき」「トラックの車検を延長することにより,クルマ社会の安全は守られるのか。すべてのトラックがきちんと整備している訳ではない。業界エゴではなく,トラック全体の中で考えていただきたい」「この調査結果データを見る限りでは,車検を延長することにより,交通事故が増え地球環境が汚染される。車検を地球全体の問題としてとらえ,日本だけや目先の経済的エゴだけで論議すべきではない」等の意見開陳があった。

 「フォーラム『車検』を考える」配布資料概要(点検整備基礎調査における調査分析結果)は,「資料1」のとおり。


2.トラック等の車検期間延長問題に関して,日整連が自民党関係有力議員へ説明

 日整連では,自由民主党「規制緩和・公益法人委員会」において,車検期間の延長問題等が論議されることに対応して,去る3月5日〜10日にかけて,自民党関係有力国会議員の先生方に,「トラック等の車検期間延長が検討されているが,自動車の安全確保,公害の防止,交通事故の増加,地球温暖化等が社会問題となっている現在,経済面のみをとらえて論議されるべきではない。安易な車検期間の延長は,国民に多大な影響を及ぼすばかりではなく,大多数の整備事業者の死活問題ともなり,社会的混乱を招く恐れがあるので,慎重に検討いただきたい」旨の説明を行った。

 「トラック等の車検期間延長問題に関する動きについて(日整連)」は「資料2」のとおり。


3.新規制緩和3カ年計画の主要項目に「車検の有効期間の延長」が盛り込まれる

 政府の規制緩和委員会(委員長・宮内義彦オリックス社長)は3月19日,1998年度を初年度とする新しい規制緩和推進3カ年計画の骨格を明らかにした。基本方針に当たる総論では,今年9月末をめどに,許認可手続きの処理期間を半分に短縮させる具体策を決めるとしたほか,省庁横断的な規制緩和の検討,規制の新設・改廃に対する国民監視の強化を打ち出した。個別事項では,自動車運転免許の有効期間延長の検討など,15分野500事項以上を盛り込んだ。再販売価格維持制度(再販制度)の見直しなどの調整を行い,今月末に閣議決定する。

 総論は,全省庁共通で緩和を検討する項目として(1)外国事業者・製品の日本市場への参入規制を重点的に撤廃・緩和(2)免許は許可・認可に,許可・認可は届け出にするなど,より緩やかな規制に移行(3)有資格者しか特定の業務に就けないとする業務独占規定などの見直し(4)認証,検査・検定は政府の直接規制を最小限にし,自主検査などを導入(5)許認可手続きをペーパーレス化などで簡素化し,処理期間を半分に短縮――としている。

 規制を新設したり,改定・廃止するに当たって,「パブリック・コメント」と呼ばれる手続きの導入もうたった。原案の段階で公表し,事業者や消費者などの意見を反映させたうえで最終決定するもので,98年度中に総務庁が具体策を決める方針だ。

 また,新しい規制は一定期間が経過した後,廃止も含めて見直す方針も盛り込んだ。

 個別の緩和事項では,自動車運転免許の有効期間延長について2000年5月末に方針を明確化▽JAS規格の国際整合化,廃止を98年度に検討▽電力の小売り供給自由化など競争導入について98年5月に結論▽自動車検査証の有効期間延長について98年度中に結論▽公共工事で予定価格の事後公表を98年度早期に実施――などを打ち出した。(3月19日毎日新聞速報より)

@新規制緩和推進3カ年計画要旨

 【運輸省】トラック事業について98年度に営業区域を経済ブロック単位に拡  大,2000年度までに最低車両台数を五台に段階的に引き下げ▽タクシー事業について98年度に需給調整基準,ゾーン運賃幅の緩和を検討し,遅くとも2001年度までに需給調整規制を廃止▽旅客鉄道事業の需給調整規制を99年度に廃止▽98年度早期に船腹調整事業を解消▽港湾運送事業規制を見直し99年度早期に運輸政策審議会で答申▽国内航空運送事業の需給調整規制を99年度に廃止▽トラックの車検証有効期間の延長について98年度に具体的な結論。

 【郵政省】NTTの在り方を見直し,98年度以降NTT再編成の着実な実施,  東西地域会社間における競争を促進▽ネットワークの接続ルールを2000年 度をめどに見直し,長期増分費用方式の導入を検討▽98年度に通信衛星デジタル放送の外資規制緩和を検討。ケーブルテレビ事業者の外資規制を撤廃の方向で検討し98年中に結論。

 【労働省】有料職業紹介事業の取り扱い職業の拡大,許可有効期間の延長について98年12月をめどに基本的方向を決定。

 【建設省など公共工事実施省庁】公共工事規制について98年度に総合評価方式導入,適切な発注ロットの設定による一般競争方式の対象工事拡大,履行保証制度見直し,予定価格の事後公表などを実施。

  (3月19日 時事通信ニュース速報)


4.死亡ひき逃げ事件捜査協力方依頼

 平成10年3月5日(木),午後9時10分頃(天候:雪),中央区勝どき2丁目5番先,晴海通り下りにおいて,道路横断中の女性(46歳)をひき逃げ死亡させた事件が発生した。

 犯人の車は,バンタイプの車(塗色不明)で,前照灯,フロントグリル,ボンネット,フロントガラス等が破損していると思われる。

 今般,このひき逃げ事件に関して,月島警察署死亡ひき逃げ事件捜査本部より捜査協力方依頼があった。

 「死亡ひき逃げ事件捜査協力方依頼」は「資料3」のとおり。


5.4月の行事予定(3月23日現在)

4/1水

2木

3金

4土

5日

6月 ◇春の交通安全運動(4/6~15)

総代選挙立候補締切

7火 正副会長正副理事長会議 百人町 ホテル海洋 11:00

合同支部長会 百人町 ホテル海洋 14:00

8水 日栄学園入学式 千葉県 本校 10:30

トヨタ東京整備学園入学式 八王子 本校 10:30

9木 教育委員会 渋谷 健保会館 14:00

10金 関東第一高等学校入学式 江戸川 総合文化センター 10:00

11土

12日

13月 「社会を明るくする運動」実施委員会 霞ヶ関 法務省 13:30

14火 定例陸運連絡会 丸山 文化会館 10:00

15水 江戸川支部総会 江戸川 グリーンパレス

16木 検査登録事務連絡会 南青山 フロラシオン青山 10:30

17金 足立支部総会 綾瀬 マリアージュ玉姫殿

豊島支部総会 雑司ケ谷 大倉 17:00

日野支部総会(懇親会:サカエヤ茶楼 18:00) 日野 日野市生活保険センター 16:00

18土

19日

20月 品川支部総会 御殿山ヒルズ ラフォーレ東京 16:00

21火 渋谷支部総会 渋谷 東急イン 16:00

台東支部総会 上野 精養軒 17:00

府中支部総会 府中 ルミエール府中

武蔵野支部総会 吉祥寺 東急イン

大多摩支部総会 青梅 奥多摩路 15:00

22水 新宿支部総会 西新宿 京王プラザホテル

中野支部総会 東中野 日本閣 16:00

23木 墨田支部総会 錦糸町 ロッテ会館

杉並支部総会 西新宿 京王プラザホテル 16:00

村山大和支部総会 東大和 東大和商工会館

西多摩支部総会 あきる野 ル ピ ア 15:00

24金 日整連企画部会 元赤坂 日整連

三鷹支部総会 三鷹 三鷹商工会館 17:00

25土 江東支部総会 箱根湯本 湯本ホテル

26日

27月 港支部総会 三田 笹川記念館 15:30

世田谷支部総会 玉川 富士観会館 15:00

葛飾支部総会 青戸 テクノプラザかつしか

28火 荒川支部総会 荒川 サンパール荒川

北多摩支部総会 立川 立川グランドホテル

29水

30木