NO.287 11年3月15日号

1.車両総重量8トン未満のトラックの初回車検有効期間延長などを盛り込んだ改正道路運送車両法案,閣議決定を経て今国会に提出

2.米通商代表部,自動車各社の自主計画更新を要求,さらに新車登録手続きの簡素化や,車検制度の見直しを求める

3.99年点検整備キャンペーンの標語募集



1.車両総重量8トン未満のトラックの初回車検有効期間延長などを盛り込んだ改正道路運送車両法案,閣議決定を経て今国会に提出

 政府は3月2日,運輸省が今国会に提出する,車両総重量8トン未満のトラックの初回車検有効期間延長などを盛り込んだ改正道路運送車両法改正案を閣議決定した。

 昨年12月10日の運輸技術審議会答申を受け,車両総重量8トン未満のトラックとレンタカー乗用車の初回車検有効期間を現行の1年から2年に延長,併せて事業用自動車などの1カ月点検の廃止と,点検項目の見直しを行う。改正法の交付から1年以内に施行する。

 各ニュース速報記事は以下のとお
り。

◆3/01 <時事通信ニュース速報>

◎運輸省,改正道路運送法案など今国会提出へ
 運輸省は3月1日,トラックの車検期間延長を盛り込んだ道路運送車両法と,外国人が日本の海運会社の取締役に就任できるようにする船舶法の各改正案をまとめた。3月2日の閣議決定を経て今国会に提出する。

 道路運送法の改正案は,車両総重量が8トン未満のトラックとレンタル用乗用車型について最初の車検有効期間を現行の1年から2年に延長,事業用トラック,バスタクシーなどの定期点検期間を1カ月から3カ月にする。早ければ年内に施行される見通しだ。

◆03/01 <毎日新聞ニュース速報> 「道路運送車両法」車検期間の延長など改正案まとまる

 運輸省は3月1日,車検期間の延長など道路運送車両法の改正案をまとめた。車両総重量8トン未満のトラックなどの初交付後の車検有効期間を1年から2年に延長,事業用バスやタクシーなどの定期点検の間隔を1カ月から3カ月に延ばす。いずれも車両性能アップに伴う措置で,利用者負担を軽減する。同省は今国会の法成立後,今年度中の施行を目指している。

◆03/01 <共同通信経済ニュース速報> ◎改正道路車両法案を提出へ,運輸省,船舶法改正も

 運輸省は3月1日,事業用トラックなどの定期点検の間隔を延長することなどを盛り込んだ道路運送車両法改正案と,船舶法の改正案の概要を発表した。3月2日に閣議決定し,今国会に提出する。

 道路運送車両法改正案では,トラックやバス,タクシーの定期点検の
間隔が現状は1カ月であるのを改め,3カ月ごとの点検とする。今後は定期点検は3カ月と12カ月ごとになるが項目は削減する。
 また,レンタカーと総重量8トン未満のトラックについては,1年目の車検は
廃止する。これにより最初の車検有効期間は2年間となる。年内の施行を目指す。自家用車の車検有効期間の延長は見送られた。
 一方,船舶法改正案では,日本船籍を取得できる要件を緩和する。現在では取締役全員が日本国民でないと日本船籍は取得できないが,改正案では(1)代表取締役の全員(2)取締役の3分の2以上−−の両方が日本国民であれば日本船籍が取得できる。

 なお,プレス発表資料,関係新聞記事は「資料1」のとおり。

2.米通商代表部,自動車各社の自主計画更新を要求,さらに新車登録手続きの簡素化や,車検制度の見直しを求める

 米通商代表部(USTR)のカトラー代表補(日本担当)は3月5日の講演で,日本の自動車メーカーが1995年6月に発表した「海外事業自主計画」を更新するよう,日本政府に働きかけていることを明らかにした。自主計画は,各社の米国での現地生産と自動車部品の現地調達の見通しなどを盛り込んだもので,これを更新させることで,日本メーカーに対し,米国製部品の購入を増やすよう圧力をかけるのが狙いとみられる。また,日本政府に,新車登録手続きの簡素化や,車検制度の見直しを求めていることも明らかにした。

 カトラー代表補はまた,自動車・同部品のほか,板ガラス,保険,コンピューターなどの政府調達,フィルムの計5分野を日米摩擦問題の重点項目として挙げ,ゴールデンウイーク中に予定されている小渕恵三首相の訪米までに,市場開放や規制緩和について「意味のある進展を図りたい」と語った。(3月6日付,朝日新聞ニュース速報より)

◆米政府の通商年次報告の日本部分の要旨は次の通り。

 ▽米国は1999年も日本に規制緩和と市場開放を強く求め続ける。35の既存の日米協定のうち,特に十分な実行を求めるカギとなる分野は保険,板ガラス,自動車・同部品,政府調達だ。さらに2国間問題では鉄鋼とコメが重要だ。

 ▽日本はコメ関税化を決定したが,関税化によってミニマムアクセス(最低輸入量)の増加幅が抑制させることは,ウルグアイ・ラウンドの自由化の精神に反する。関税率を最大化するため,日本国内の高級米と低品質の加工用輸入米を比較するなど関税率の算定方法に疑問がある。日本が性急に関税化を決定したことにも懸念を表明してきた。99年も世界貿易機関(WTO)と矛盾しないよう日本が継続的な市場参入を保証するよう圧力をかけ続ける。

 ▽日本が検疫制度見直しを4月1日までに承認しなければ,99年産のリンゴを日本に出荷することが不可能となり,米国の農家に悪影響が出る。

 ▽日本の保険分野の規制緩和が十分に実行されておらず,96年の合意通りにガンなど第3分野の解禁を認めるわけにはいかない。日本が合意の義務を果たし,協議を行うことを求める。

 ▽政府調達は協定の目標が十分に達成されていないことを強く懸念する。

 ▽米国製の自動車・同部品の日本での販売は大きく低下している。米国は合意内容を進展させるため新車登録や車検制度の改善,部品の規制緩和などを提案しており,日本と協議を続ける。

 ▽(日本の対米鉄鋼輸出を)金融危機以前の水準まで低下させるという大統領の期待に沿うには,日本が追加的かつ継続的な輸出削減を行う必要がある。こうした鉄鋼問題への対応は今年も高い優先がある。(3月10日付け共同通信経済ニュース速報より)

3.99年点検整備キャンペーンの標語募集

 日整連では,99年度の自動車点検整備促進全国キャンペーンのスローガンを募集する。「ユーザーの保守管理責任意識の向上」をテーマに,一般消費者の自動車整備,点検の重要性を認識してもらうことを狙いに毎年実施しているもの。

 再優秀賞には賞金10万円のほか,99年度キャンペーンスローガンとして採用される。また,応募者の中から抽選で300人にキャンペーンのイメージキャラクターである「てんけんくん」のぬいぐるみ,貯金箱のいずれか1点がプレゼントされる。

 応募方法は,ハガキにスローガン,住所,氏名,年齢,職業,電話番号を明記のうえ応募。なおスローガンはハガキ1枚につき1点とする。締め切りは4月5日の消印有効。

 宛て先は,〒107-0051 港区元赤坂1-1-16 (社)日本自動車整備振興会連合会「キャンペーンスローガン」係