NO.307号 12年2月15日

1.日整連、1級整備士制度の運用、2年間の準備期間を明示

2.平成11年のJAFロードサービス、年間でもキー閉じ込みがトップ

3.1999年の「タイヤ点検結果」、タイヤの整備不良は13.6%

4.日整連「整備技能競技大会」、アドバイザー(フロントスタッフ)競技、2001年度から採用を検討

5.初の2級自動車シャシ整備技能検定

6.厚底靴で運転ダメ、警視庁が取締へ


1.日整連、1級整備士制度の運用、2年間の準備期間を明示

 『日整連は1級整備士制度の運用に関して、教科書編纂など試験準備には、省令改正後2年間が必要との見通しを明らかにした。
 運輸省は1級整備士制度運用について、2000年度早期に省令改正を行いたい考えで、日整連が必要な準備期間を明示したことで、1級整備士の第1回試験は2003年度に実施される公算が高まった。

 95年3月に閣議決定された「規制緩和推進3カ年計画に」おいて、資格制度の見直しは2000年度中に規制改正をするとされていることから、1級整備士についても来年3月までのには改正が実施される見通し。

 運輸省から委託を受けて試験を実施する日整連では、教科書編纂のほか、カリキュラム策定や講師の養成などさまざまな準備が必要。しかし、資格基準などの内容が明らかにならない限り、作業には着手できない。このため日整連では実際の作業に当たる現場の意見を聴取、準備に2年程度かかるという結論に達した。また、試験の早期実施に向けてスタッフを増員するなどして対応する方針。

 1級整備士制度の運用開始に向けて運輸省が近く、2次素案を整備業界に提示、意見聴取を行ったうえで、早急に最終案がまとまるものとみられる。ただ、このうち業界側と整備専門学校側との間で、実務経験年数について意見の隔たりがあることから、水面下での調整が続いているもようだ。』(以上、2月5日付日刊自動車新聞より)

2.平成11年のJAFロードサービス、年間でもキー閉じ込みがトップ

 JAF(社団法人 日本自動車連盟)は1月21日、平成11年1月1日から平成11年12月31日までの1年間にJAFが全国で出動したロードサービス296万7696件の主な出動理由をまとめた。

 1位はキー閉じ込みで76万9710件(構成比25.94%)で全体の4分の1以上を占めており、ドライバーのうっかりミスによるものと思われる。

 続いてバッテリー過放電71万8095件(同24.20%)、事故24万8507件(同8.37%)だった。

 道路別にみると、一般道路はキー閉じ込み76万1723件(構成比27.50%)、過放電バッテリー70万9561件(同25.62%)、事故22万7748件(同8.22%)だった。

 高速道路ではタイヤ関係(パンク・バースト・エア圧不足など)3万4494件(同17.45%)、燃料切れ2万4928件(同12.61%)、事故2万759件(同10.50%)と、高速道路特有のものが上位を占めた。

 平成11年のJAFロードサービス「原因別路上故障状況表」は「資料1」のとおり。

3.1999年の「タイヤ点検結果」、タイヤの整備不良は13.6%

 日本自動車タイヤ協会は、都道府県警察・陸運支局、日本道路公団、自動車及びタイヤ関連団体と協力し、1999年(1〜12月)に132回の路上タイヤ点検を実施し、その結果を発表した。

 タイヤ点検結果の概要は以下のとおり。

(1)タイヤ点検車両台数

 ・高速道路(含、自動車専用道路)2,612台、一般道路10,179台、合計「12,791台」

(2)タイヤ整備不良は13.6%

 ・点検車両12,791台のうち、タイヤに整備不良があった車両は1,737台、不良率13.6%となっており、前回調査に比べて0.8ポイントの増加。

 ・道路別のタイヤ整備不良率は、高速道路15.7%(同2.1ポイント増)、一般道路13.0%(同0.7ポイント増)となった。

(3)不良項目別ワースト1位は「タイヤ溝不足」

 ・タイヤの整備状況ワースト1位は「タイヤ溝不足」で6.5%、次いで「異常摩耗」3.9%、「空気圧不足」1.9%となっている。

(4)車両グループ別ワースト1位は「特種車」

 ・車両グループ別では、不良率ワースト1位は「特種車」で19.9%、次いで「貨物車」17.9%、「乗用車」10.7%の順となっており、「貨物車」「乗  用車」の不良率が増加している。

(5)車両グループ別・項目別ワースト1位は「タイヤ溝不足」

 ・車両グループ別・項目別ワースト1位は「タイヤ溝不足」となっており、乗用車は4.2%、貨物車は9.9%、特種車は11.0%となっている。

 ・その他の不良率上位は、乗用車では「異常摩耗」2.9%、貨物車と特種車ではそれぞれ5.3%、8.8%と「異常摩耗」の比率が高くなっている。

 「1999年タイヤ点検結果」は「資料2」のとおり。

4.日整連「整備技能競技大会」、アドバイザー(フロントスタッフ)競技、2001年度から採用を検討

 日整連は、次回(2001年開催)の全日本自動車整備技能競技大会でアドバイザー(フロントスタッフ)コンテストを正式競技として採用する方向で検討に入った。整備業にとって、フロントスタッフの重要性がさらに高まることなどから、正式種目として相互の技能研鑽につなげる考え。

 日整連では、こうした大会の活性化により、次回大会で過去最高の出場数である40チームに迫る参加を狙う方針。昨年11月に開催した第12回大会では、学科競技をなくし、実技のみとするなど、地方大会の運営負担が大きいことなど、地方事情を考慮した運営方針へと転換している。アドバイザーコンテストは、その職責の重要性から正式種目として採用を検討する。(2月8日付 日刊自動車新聞より)

5.初の2級自動車シャシ整備技能検定

 運輸省は、2000年度の自動車整備士技能検定試験の実施計画を発表した。

 制度が新設された2級自動車シャシ整備士技能検定を第2回目に初めて実施する。

 初めてとなる2級自動車シャシ整備士を含む第2回目の申請期間は10月27日から11月8日までで、学科試験が12月5日、実技試験が2001年2月23日となる。

6.厚底靴で運転ダメ、警視庁が取締へ

 警視庁交通部は、厚底靴を履いた運転に対して取り締まりに乗り出す方針を固めた。今後、底の高さ制限などの詳細を検討し、各署に通達する。

 これまでに大阪府警でも取り締まりの方針が打ち出されており、違反した場合には、大型車7千円、普通車6千円、二輪車6千円、原付き5千円の反則金が科される。

 「交通事故総合分析センター」などの実験では、急ブレーキを踏むまでの反応時間は運動靴0.61秒、ブーツが0.62秒。厚底靴は0.66秒と長く、反応が鈍くなることが分かっている。