運輸省はこのほど、平成11年の「自動車分解整備業実態調査結果」をまとめた。
それによると、平成11年の総整備売上高は、前年同期比1.6%(1,016億円)減の6兆1,759億円で、2年連続して減少傾向となった。
業態別売上高では、専業が2.2%増だったのに対し、兼業が10.5%減、ディーラーが0.6%減、自家が8.8%減となった。
また、平成11年6月現在の事業場数は、8万5,798工場で、前年に比べ566工場(0.7%)の増加。企業数は7万5,399企業となり、2,295企業(3.1%)の増加となった。
整備工場数、企業数は増加したものの、整備要員は38万4,302人となり、対前年比99.5%と減少し、整備要員数は減少傾向にある。
整備要員の平均年齢も専業42.4歳、兼業39.0歳、ディーラー28.8歳となり、依然として高齢化傾向をたどっている。
●整備売上高→6兆1,759億円
・総整備売上高は6兆1,759億円と前年に比べ1,016億円(1.6%)減少した。
・業態区分別では、専業が2.2%増加したが、兼業10.5%、ディーラー0.6%、自家8.8%とそれぞれ減少している。
●企業数→75,399企業
・企業数は75,399企業となっており、前年に比べ2,295企業(3.1%)増加している。
●事業場数→85,798事業場
・事業場数は85,798事業場となっており、前年に比べ566事業場(0.7%)増加している。
●整備関係従業員数→539,427人
・539,427人と前年に比べ766人(0.1%)減少しているが、減少幅は前年に比べ3分の1に縮小している。
●整備要員数→384,302人
・整備要員数は384,302人と前年に比べ1,916人(0.5%)減少している。
●整備士数→310,261人
・整備士数は前年比940人増(O.3%)の310,261人となっている。
・整備要員数に対する整備士数の割合(整備士保有率)は平成6年以降年々増加している。
●整備要員1人当たり年間整備売上高(平均)→16,196千円
・前年比1.1%減の16,196千円である.なお、業態別にみると以下のようになっている。
専 業 12,544千円(前年比0.9%減)
兼 業 14,266千円(前年比2.9%減)
ディーラー 23,488千円(前年比0.1%増)
平 均 16,196千円(前年比1.1%減)
●整備要員年齢(平均)→37.6歳
・前年比0.5歳増の37.6歳となっており、高齢化の進み具合は過去数年と同様である。
●年間整備要員給与(平均)→3,980千円
・前年比0.1%減の3,980千円と僅かながら減少している。
「自動車分解整備業の概要一覧表」は「資料1」のとおり。
運輸省では、「1級自動車整備士制度の運用に伴う自動車整備士技能検定規則」の一部を改正する省令を平成12年9月に公布・施行し、平成14年度以降に「1級整備士技能検定」を実施する予定でいるが、本省令改正についての意見を募集している。
1級自動車整備士技能検定の概要は、
(1)1級整備士については、「1級大型自動車整備士」と「1級小型自動車整備士」「1級二輪自動車整備士」に分割する
(2)記述式の学科試験だけではその判定が困難であるため、口述式の学科試験を二次試験として実施する。
(3)学科試験において記述式の一次試験に合格し、口述式の二次試験に不合格となった者は、一次試験合格後2年以内に限り一次試験を免除する。
(4)1種養成施設または二種養成施設において、1級の各自動車整備士の養成課程を修了した者は、修了後2年以内に限り、実技試験を免除する。
(5)1種養成施設において、1級の各自動車整備士の養成課程を修了した者に、受験資格を付与する。
(6)大学等の機械に関する学科を修了した者等に係る実務経験の短縮を行わない。
運輸省発表の「1級自動車整備士技能検定の実施について」は「資料2」のとおり。
運輸省は、平成13年度にもEメールを使って自動車の不具合情報を一般から受け付けるシステムを運用する。運輸省と地方運輸局を結ぶリコール情報のオンラインシステムを更新して、セキュリティ機能や情報処理能力を高めて、Eメールでの不具合情報の収集ができるようにする。
運輸省では、今年5月末から、留守番電話やファクスで、自動車の不具合情報を24時間体制で受け付ける体制をとっている。インターネットやEメールが浸透しているため、さらにEメールでの不具合情報を受け付ける体制をとって、自動車の欠陥や不具合に関する情報を広く収集する。
平成12年2月末現在の、専門認証工場数は、全国で972カ所。うち、SSが361カ所、専門認証工場が290カ所、カー用品店が159カ所、ディーラー65カ所、代行業が35カ所、その他62カ所となり、SSが全体の37.1%、次いで整備工場が29.8%、16.4%の順となった。
2月末現在の専門認証取得状況は以下のとおり。
SS | カー用品 | 専門工場 | 代行業 | ディーラー | その他 | 合計 | |
北海道 | 21 | 12 | 6 | 1 | 3 | 2 | 45 |
東 北 | 28 | 10 | 26 | 2 | 8 | 4 | 78 |
新 潟 | 19 | 9 | 16 | 0 | 1 | 7 | 52 |
関 東 | 99 | 55 | 62 | 9 | 25 | 31 | 281 |
中 部 | 74 | 21 | 52 | 3 | 4 | 3 | 157 |
近 畿 | 56 | 15 | 84 | 6 | 16 | 5 | 182 |
中 国 | 28 | 10 | 14 | 2 | 1 | 0 | 55 |
四 国 | 4 | 7 | 12 | 0 | 2 | 0 | 25 |
九 州 | 30 | 19 | 18 | 12 | 4 | 9 | 92 |
沖 縄 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 5 |
合 計 | 361 | 159 | 290 | 35 | 65 | 62 | 972 |
運輸省は、去る6月に実施をしたディーゼル車の街頭検査結果をまとめた。
それによると、全国平均で整備不良率は6.0%であったが、関東、中部、近畿の3大都市圏では11.9%と倍近く、なかでも近畿地区では、20.9%と、検査を行った5台に1台が保安基準値を上回る有害物質を排出していた。
街頭検査は、全国で7,100台について行い、特に目視で黒煙の排出状態が悪いディーゼル車について、黒煙濃度測定器で2,381を測定、このうち、保安基準地を上回ったのは143台で、整備不良率は6.0%であった。
また、東京、名古屋、大阪、兵庫を中心とした都市圏では、420台を黒煙濃度測定器で検査し、うち50台が整備不良で、整備不良率は11.9%であった。
日整連は2001年度から、整備技能認定試験の合格者に対し発行している「合格証書」の氏名を現在のカタカナ明記から漢字により記載する。
今年3月に実施された99年度第2回認定試験では、カタカナの合格証書を発行すると同時に、漢字による証書の出力を実験的に行った。日整連ではシステムの整備を早急に進め、来年度の認定試験から漢字で氏名を記載した認定証を発行するとしている。
平成11年度第4・四半期(平成12年1月〜3月)に全国の自動車整備相談所に寄せられた整備相談件数は94件となった。
このうち、整備関係は66件、販売関係は5件、その他23件となっている。
主な整備相談事例は「資料3」のとおり。