NO.331号 13年3月15日

1.教育会館建設の進捗状況(「入札」結果)について

2.ディーゼル車排ガス規制、来年5月導入、DE乗用車も規制

3.春の全国交通安全運動は4月6日(金)〜15日(日)までの10日間

4.カーエアコンのフロン回収事業の試行について

5.リサイクル部品情報の検索システム試行について

6.AT車比率が90%突破

7.日整連「整備需要等の動向調査」集計結果について




1.教育会館建設の進捗状況(「入札」結果)について

 去る2月26日(月)、午後1時から、渋谷サービス健保会館において、「東京都自動車整備教育会館(仮称)」新築工事に伴う「指名競争入札」を正副会長、正副理事長立ち会いのもとに行った。

 指名競争入札は、ゼネコン4社により行われ、第1回目の入札、開札においては、いずれのゼネコンも「落札予定価格」(特定設計事務所において積算した価格)を上回っており、あらかじめ定めたルールに基づき、第2回目の入札、開札を実施した。

 その結果、大成建設(株)の入札価格935,000,000円(坪単価692,593円)が、「落札予定価格」をわずかに下回り、同社が落札した。

 参考までに、教育会館新築工事の「入札(指名競争入札)方法」については「資料1」のとおり。

2.ディーゼル車排ガス規制、来年5月導入、DE乗用車も規制

 新聞報道によると、政府は3月6日、大都市圏の深刻な自動車排ガス対策強化を狙った自動車窒素酸化物(NOx)法の改正案を閣議決定、今国会に提出した。

 来年5月から施行される予定で、これまで対象外だったレジャー用四輪駆動車などディーゼル乗用車も、ガソリン車並の厳しい排ガス規制が適用される。乗用車では規制に適合するディーゼルエンジンの開発が遅れており、東京、大阪、名古屋の3大都市圏では、事実上乗れなくなる。

 現在走行中の車も、新車登録から7〜9年の猶予期間が過ぎると、走れなくなる。国内ディーゼル乗用車は約500万台で、乗用車全体のNOx排出量の約3割を占め、乗用車の規制が不可欠であると判断した。また、最新排出基準を達成できないバスやトラックも、新車登録から8〜12年の猶予期間を過ぎると使えなくなる。

▼自動車NOx法改正案閣議決定 法改正のポイント▼

・排ガス規制物質としてNOxに加え、新たに粒子状物質(PM)を追加。

・トラック、バスだけでなく、ディーゼル乗用車も規制対象に

・首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)、関西圏(大阪、兵庫)に加え、名古屋市周辺も対象地域に

・自動車を30台以上保有する事業者は排出削減に向けた計画を作り、実施を義務付ける。

▼自動車NOx法 改正法との比較▼

          現行法          改正法案

 規制物質 窒素酸化物       窒素酸化物と排ガス微粒子

 対象地域 東京、大阪など6都府県 名古屋周辺を追加し7都府県

 車種規制 トラック、バス     ディーゼル乗用車を追加

 業者規制 なし          30台以上の事業者に抑制計画

 罰則   なし          抑制措置が不十分な場合50万円以下の罰金

 見直し  なし          達成状況に応じ必要な見直し

 ディーゼル乗用車排ガス規制に関する新聞記事は「資料2」のとおり。

3.春の全国交通安全運動は4月6日(金)〜15日(日)までの10日間

 政府の交通対策本部は、「平成13年春の全国交通安全運動実施要綱」を決定し、交通対策本部並びに内閣官房長官の連名で日整連会長に対して、同運動への推進協力を要請した。
 平成13年春の全国交通安全運動は、4月6日(金)から4月15日までの10日間にかけて実施され、運動重点は(1)自転車の安全利用の推進(2)シートベルトとチャイルドシートの着用の徹底となっている。「平成13年春の全国交通安全運動実施要綱」は「資料3」のとおり。

4.カーエアコンのフロン回収事業の試行について

 国土交通省では、小規模の整備事業者の確実なフロン回収が図られるよう1〜3月までの2カ月間、全国27都道府県の自動車整備振興会の参加を得て、約100の回収拠点において、フロン回収の実証実験事業を開始した。

 この事業においては、(1)巡回回収(2)持ち寄り回収(3)回収機貸与の3パターンの回収システムにより、3月中旬まで、フロンの回収を行ったうえで、どのような回収方式が効率的で適当かを検討し、評価するものとしている。

 国土交通省発表の「カーエアコンのフロン回収事業の施行について」は「資料4」のとおり。

5.リサイクル部品情報の検索システム試行について

 国土交通省は、使用済み自動車のリサイクルを推進するため、自動車整備事業者がリサイクル部品の情報を容易に検索できるよう、同部品の使用を促進するための実証実験を、全国100のモニター整備事業者の協力を得て開始した等をプレスリリースにより発表した。

 本システムは、(1)リサイクル部品販売事業者の在庫部品情報(2)自動車メーカーの純正部品情報(3)外国製自動車部品情報(4)国土交通省の自動車登録情報をネットワークで結び、自動車整備事業者が自動車の登録番号及び必要な部品名称を入力することにより、画面にリサイクル部品の価格及び品質、並びに純正部品の価格等の比較情報が表示される。これにより、同情報をユーザーに提示することにより、リサイクル部品の選択、使用を促進しようというもの。

 なお、本会においても、IT推進プロジェクトのメンバー10工場が同実証実験に参加している。

 国土交通省発表の「リサイクル部品情報の検索システムの試行」については「資料5」のとおり。

6.AT車比率が90%突破

 自販連が発表した2000年度暦年のオートマチック付乗用車(AT車、輸入車・軽自動車を除く)の新車販売台数は前年比5.6%増、247万3,548台となり4年ぶりに増加した。
 またAT車比率は同2.7ポイント増、91.2%に上昇し初めて90%を突破した。最近の新型乗用車は、スポーツタイプなどを除きAT専用車とされるケースが増えたこともあり、AT車比率は、1991年には74.0%だったが、この10年間で17.2ポイント拡大したことになる。
 メーカー別のAT車比率は三菱自工が95.2%と最も高く、本田技研94.2%、スズキ93.4%、トヨタ93.0%、いすゞ91.4%の5社が90%を超えた。逆にスポーツセダンを主力に置く富士重工はMT車の人気が高いため、AT比率が74.3%にとどまり唯一、80%を下回った。(3月7日付 日刊自動車新聞報道より)

7.日整連「整備需要等の動向調査」集計結果について

 日整連では、自動車整備事業場における自動車整備の需要並びに自動車整備料金等の動向について、直近の6カ月間における業績及び向こう6カ月の業績予想を把握することにより、自動車整備業界の発展に資するために平成8年7月から半年毎に実施している。今般、第10回同調査結果がとりまとめられ発表された。

 第10回「整備需要等の動向調査」集計結果の概要は以下のとおり。

1.平成12年7月〜12月期の実績

(1)総整備売上高

 今期(平成12年7月〜12月)の総整備売上高DIは−8.5で、前期(平成12年1月〜6月、一7.5)に比べて1.0ポイント低下し、前期に続きマイナスとなった。

 これを業態別にみると、専業事業場では認証、指定とも2.7ポイント低下した。また、マイナス成長と回答した事業場も認証では46.1%、指定では44.1%と40%を超えている。

 一方、ディーラー事業場の指定では1.9ポイントと若干上昇したが、プラス成長と回答した事業場は45.5%と前期に続き50%を下回った。

   (注)DI=プラス成長と回答した事業場の割合一マイナス成長と回答した事業場の割合

(2)総入庫台数

 今期(平成12年7月〜12月)の総入庫台数DIは+2.7で、前期(平成12年1月〜6月、+9.5)に比べて6.8ポイント低下し、2.8ポイント低下した前期よりさらに厳しい結果となった。

 これを業態別にみると、専業事業場では前期2.6ポイント上昇した認証が13.6ポイントの低下、指定が2.5ポイント上昇から7.4ポイントの低下と厳しい結果となった。同じく、ディーラーの指定事業場も前期の11.6ポイント低下に引続き2.5ポイント低下し厳しい結果となった。

 なお、プラス成長と回答した事業場は専業事業場の認証が前回調査の21.8%から15.7%に、指定が33.6%から33.1%に、ディーラーの指定も前回調査の57.8%から53.8%となった。また、マイナス成長と回答した事業場は専業事業場の認証が前回調査の39.1%から46.6%に、指定が29.9%から36.8%に、ディーラーの指定は前回調査の25.5%から24.0%となった。

2.平成13年1月〜6月期の予想

(1)総整備売上高

 来期(平成13年1月〜6月)の予想総整備売上高DIは+9.4で前期(平成12年7月〜12、+0.7)に比べて8.7ポイント上昇し、来期への期待は大きい。

 これを業態別でみると、専業事業場では認証が4.4ポイント、指定が8.3ポイント、ディーラ」の指定では11.6ポイントいずれも上昇し、いずれの業態とも来期に期待していることが伺える。

 なお、プラス成長と予想した事業場は、専業の認証で17.4%、指定で32.4%、ディーラーの指定で53.1%となっている。

(2)総入庫台数

 来期(平成13年1月〜6月)の予想総入庫台数DIは+15.7で前期(平成12年7月〜12月、+12.1)に比べて3.6ポイント上昇、総整備売上高と同様に来期への期待は大きい。

 これを業態別でみると、専業事業場では認証が1.3ポイント低下したが、指定では2.4ポイント、ディーラーの指定で7.5ポイントそれぞれ上昇し、来期に期待していることが伺える。

3.自家用乗用車の平成12年7月〜12月の実績

(1)1年点検整備入庫台数

 今期(平成12年7月〜12月)の1年点検整備入庫台数DIは一9.1で、前期(平成12年1月〜6月、-6.3)に比べて2.8ポイント低下した。

(2)1年点検整備売上高

 今期の1年点検整備売上高DIは一21.7で、前期の一21.0に比べて0.7ポイント低下した。

(3)2年点検整備入庫台数

 今期の2年点検整備入庫台数DIは一17.1で、前期の一3.8に比べて13.3ポイント低下した。

(4)2年点検整備売上高

 今期の2年点検整備売上高DIは一30.2で、前期の一21.5に比べて8.7ポイント低下した。

4.自家用乗用車の平成12年12月の前年同月比平均単価

(1)1年点検整備料金の平均単価

 平成12年12月の前年同月比DIは一26.3で、前期の一28.6に比べて2.3ポイント上昇した。

(2)2年点検整備料金の平均単価

 平成12年12月の前年同月比DIは一35.2で、前期の一33.4に比べて1.8ポイント低下した。

5.整備業界全体の現在の景況感

 今回調査(平成13年1月)の整備業界全体の現在の景況感DIは一78.0で、前回調査時(平成12年7月)の一71.1に比べて6.9ポイント低下しており、「やや悪い」、「かなり悪い」と回答した事業場も81.1%と依然として高率で、ほとんどの事業場がまだ景気は悪いと感じている。

   (注)DI=(かなり良い+やや良い)と回答した事業場の割合一(かなり悪い+やや悪い)と回答した事業場の割合

6.整備業界の景気回復時期の予想

 前項の質問に対して、「やや悪い」、「かなり悪い」と回答した事業場の整備業界の景気回復時期の予想については、「わからない」と回答した事業場が43.5%と最も多く、次いで「回復しない」と回答した事業場が37.3%で、当面の景気回復に期待をもっていないことが推測される。

 なお、景気回復の時期については、「1年半以降」に景気が回復すると回答した事業場が6.5%、次いで、「1年以降1年半以内」の6.3%、「6ケ月以降1年以内」4.0%、「6ケ月以内」0.6%の順であった。

 「第10回『整備需要等の動向調査』集計結果について」は「資料6」のとおり。