東整振・都整商事務局情報

NO.377 15年4月15日号

「自動車の点検及び整備に関する手引き」で定めている点検方法についての車両構造上の解釈
   〜「ブレーキ・シューの摺動部分及びライニングの摩耗」の点検方法について〜
不正改造車の排除強化及び整備管理者制度の見直し 〜整備命令標章の様式について〜
軽自動車検査申請書様式のOCR様式への変更等 〜自動車検査証の用紙はB6版からA4版に変更〜 
自動車NOx・PM法と関連する自動車環境対策に関するユーザー相談窓口
低硫黄軽油専用車の燃料規格規定 〜道路運送車両の保安基準改正される〜 
自動車リサイクル法における解体業等に係る許可基準等のパブリックコメントの募集 
〜定期点検整備促進協議会〜 定期点検整備促進運動を引き続き実施
化学物質を取り扱う事業者へ 〜PRTR制度の普及啓発について
整政連の平成15年度活動方針決まる
燃費の良いガソリン乗用車ベスト10
平成14年第2四半期(平成14年7月〜9月)に全国の自動車整備振興会に設置された「自動車整備相談所」に
   寄せられた相談件数は81件


「自動車の点検及び整備に関する手引き」で定めている点検方法についての車両構造上の解釈 〜「ブレーキ・シューの摺動部分及びライニングの摩耗」の点検方法について〜
 事業用自動車等の3ヵ月ごとの定期点検項目である「ブレーキ・シューの摺動部分及びライニングの摩耗」の点検方法は、国土交通省の告示である「自動車の点検及び整備に関する手引き」において、ドラムを取り外して行うことになっているが、このたび、この解釈について、点検孔等を有する構造の車両にあっては、点検孔からの点検を行うことができるようになった。
 自動車点検基準の事業用自動車等の定期点検基準で定めている3月ごとの点検のうち、制動装置のブレーキ・ドラム及びブレーキ・シューの点検箇所の「シューの摺動部分及びライニングの摩耗」の点検方法として「自動車の点検及び整備に関する手引き」では、
○リフト・アップなどの状態で、ブレーキ・ドラムを取り外し、次の点検を行います。
・ライニングに異状な摩耗や損傷、剥離がないかを目視などにより点検します。
・ライニングの厚みをスケールなどにより点検します。
・リベット、ボルトに緩みがないかを点検します。

○必要がある場合には、シューを分解し、次の点検を行います。
・ブレーキ・シューの摺動部分に異状な摩耗や偉傷がないか。
・アンカ・ピンに異状な摩耗がないか、また、錆付いていないか。
・リターン・スプリングにへたりがないか。
・調整装置がスムーズに作動するか。

の方法で確認するよう標準的な点検の実施方法として示しているが、次の点検方法を用いれば、同様の結果が得られるものと解する。
1.点検方法
 ライニングの残量を直接確認できる点検孔を有する構造又はドラムカバーが取り外せる構造の車両にあっては、以下の手順で点検を行うことができる。ただし、点検の結果、ライニングの残量が使用限度に近づいている場合や、異常が認められる場合は、従来どおりのドラムを取り外しての点検方法となる。
(1)ドラムカバーを取り外すか、ライニング獲量点検札から、ライニングの残量を目視で点検する。また、ライニングの端面に亀裂、剥離などの損傷がないかを目視で点検する。
(2)低速で走行し、緩やかにブレーキを踏んだ時、ブレーキから異音が発生しないかを点検する。(リベット、ボルトの緩み)
(3)ジャッキアップし、手でタイヤを回し、ブレーキを踏んだ状態からペダルを放した時に、直ぐにタイヤが回せるかで、シューの戻り不良(ブレーキの引きずり)がないかを点検する。

2.「ライニング残量点検孔」の定義
ライニング残量点検孔とは、自動車製作者が予めライニングの残量を点検する目的
で設けたもので、ライニング及びシューの一部が視認できる構造のものを示す。
なお、同様の目的で自動車製作者以外の者が点検孔を製作(穴を開ける)した場合に
は、当該装置の性能の低下や素材の強度、防塵の関係等が不明確なので認められないものとする。
 「『自動車の点検及び整備に関する手引き』で定めている点検方法についての車両構造上の解釈について」は、「資料1」のとおり。

不正改造車の排除強化及び整備管理者制度の見直し 〜整備命令標章の様式について〜
「道路運送車両法の一部を改正する法律」(平成14年法律第89号)の一部が4月1日より施行され、不正改造車の排除強化、整備管理者制度の見直しが行われたことについては、事務局情報前号においてお知らせいたしたが、今般、国土交通省より、不正改造車に貼付される整備命令標章の様式が発表された。
不正改造車の排除強化
○不正改造行為そのものを禁止!
 自動車を道路運送車両の保安基準に適合しなくなるように改造する行為(不正改造行為)を禁止。(違反した場合には、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金)
○不正改造車に対する整備命令制度を強化!
 不正改造車を確実に適正な状態に整備させるため、街頭検査等で不正改造車に対して発令する整備命令を強化し、発令後15日以内に整備した上で運輸支局などに現車提示させることを自動車の使用者に命令し、その不正改造車に整備命令標章(ステッカー(「資料2」)を貼付。
 また、15日以内に現車提示をしない場合又は不正にステッカーを剥がした場合には、一定の期間(最大6ヶ月)自動車の使用を停止し、自動車検査証及びナンバープレートを没収。
 国土交通省は、以上を踏まえ、今後とも警察庁、自動車検査独立行政法人、軽自動車検査協会その他の関係団体と協力し、人に危害を及ぼし、環境に悪影響を与える不正改造車の撲滅に努めていく。
整備管理者制度の見直し
 自動車の技術進歩等に対応し、また、自動車の使用者の負担軽減を図るため、整備管理者に関する制度を見直す。見直しの主なものは以下のとおり。
 1.整備管理者を選任しなければならない自動車の種類、台数についての要件(選任要件)を緩和。
 2.整備管理者が備えなければならない要件(資格要件)について、点検・整備に関する実務経験年数を5年から2年に緩和するとともに、地方運輸局長が行う研修を修了することを盛り込む。

 なお、「道路運送車両法施行規則等の一部を改正する省令概要」、「法第54条に基づく整備命令発令後の取扱いフローチャート」、「法第54条の2に基づく整備・現車提示命令発令後の取扱いフローチャート」は「資料2」のとおり。
  http://www.mlit.go.jp/jidosha/reconstruction/reconstruction.html


軽自動車検査申請書様式のOCR様式への変更等 〜自動車検査証の用紙はB6版からA4版に変更〜
 国土交通省・軽自動車検査協会では、軽自動車の各種届出等の業務処理量の増加、自動車リサイクル法への対応及び自動車保有関係所手続きのワンストップかに対応するために、平成15年10月14日(火)から軽自動車の検査申請様式をOCR様式に変更することを発表したが(事務局情報=4月1日号参照=)、今般、OCRシートの様式等が軽自動車検査協会より発表された。
 道路運送車両法の一部が改正され、平成15年10月14日から施行される。これにより、軽自動車に係る検査申請書についてはOCR(光学的文字読取装置)を用いる様式に、自動車件査証等の用紙の大きさについてはB6版からA4版に変更されることとなった。
 軽自動車検査協会プレスリリース「軽自動車検査申請書様式のOCR様式への変更等について」は「資料3」のとおり。


自動車NOx・PM法と関連する自動車環境対策に関するユーザー相談窓口
 大都市地域における窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)による大気汚染は依然として深刻な状況が続いていることから、国としては、自動車に起因する大気汚染問題に対しては、自動車排出ガスに対する規制(いわゆる単体規制)や低公害車の普及を進めているところである。
こうした大都市地域の大気環境の状況を踏まえ、大都市地域においては、自動車NOx・PM法に基づき一定の自動車に関して、よりNOxやPMの排出の少ない車を使っていただくよう、「車種規制」という規制を実施している。
 また、東京都、埼玉県、千葉県及び神奈川県においては、PMを規制対象とし、基準に適合しないディーゼル車の都県内の運行を禁止する条例を制定し、本年10月から施行する予定。
 こうした車種規制や条例による規制に伴い、大都市地域で所有し、使用できる車が制限されることから、規制の内容や車の買い換え、ディーゼル微粒子除去装置の装着等に関するご相談・お問い合わせ窓口が関係省庁、都県、自動車メーカー、運輸支局等に設置されている。
 今般、国土交通省では、これらの相談窓口を問い合わせ内容ごとに整理し、プレス発表を行った。
 国土交通省発表による「自動車NOx・PM法と関連する自動車環境対策に関するユーザー相談窓口について」は「資料4」のとおり。
  http://www.mlit.go.jp/jidosha/environment_measure/environment_measure.html


低硫黄軽油専用車の燃料規格規定 〜道路運送車両の保安基準改正される〜

 4月1日から低硫黄軽油(硫黄分が50ppm以下の軽油)の販売が一般のスタンドで開始され、今後、低硫黄軽油の使用を前提に製作される超低PM排出ディーゼル車等の低硫黄軽油専用車の販売が予定されている。
 これらの自動車には、低硫黄軽油が使用される必要があることから、国土交通省では、平成15年4月1日付けで保安基準を改正し、低硫黄軽油専用車の燃料として低硫黄軽油を規定した。
 また、低硫黄軽油専用車には、以下のステッカーを給油口付近や運転者席の見やすい位置に貼付することとされており、自動車ユーザーが誤った軽油を使用しないよう対策を行っている。


自動車リサイクル法における解体業等に係る許可基準等のパブリックコメントの募集
 中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会自動車リサイクル専門委員会許可基準等検討小委員会及び産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルWG許可基準等検討タスクフォースの合同会議が、去る3月28日に開催され、「解体業に係る許可基準等について(案)」等をとりまとめた。
自動車リサイクル法が施行された場合、整備事業者においても解体業の許可の取得を希望される場合もある。
解体業、破砕業の許可基準等の設定にあたっては、よく実態を踏まえることが必要、との認識が示されていることから、合同会議では、この案に対する意見を広く募集(パブリックコメント)することとなった。
 1.意見募集対象
   「解体業に係る許可基準等について(案)」
   「破砕業に係る許可基準等について(案)」
 2.意見募集期限
   平成15年4月25日(金) 17時まで
 3.お問合せ先
   環境省廃棄物・リサイクル対策部リサイクル推進室 TEL 03−5501−3153
※ 資料、意見送付要領等は環境省ホームページから
 http://www.env.go.jp/info/iken.html
 「解体業に係る許可基準等について(案)」、「自動車リサイクル法における解体業、破砕業の取扱い等について」、「使用済自動車の流れとリサイクル率の現状」等の関係資料は「資料5」のとおり。


〜定期点検整備促進協議会〜 定期点検整備促進運動を引き続き実施
 日整連を含む自動車関係団体10団体で構成する「定期点検整備促進協議会」では、「定期点検整備促進対策要綱=「資料6」=」に基づき、今年度も引き続き同運動を実施することとなった。
 同運動は、自動車の適正な点検・整備を通じて、自動車の安全を確保し、公害を防止するため、本要綱により定期点検整備の実施の普及及び促進を図ることを目的に、点検整備済ステッカーを貼付するというもの。


化学物質を取り扱う事業者へ 〜PRTR制度の普及啓発について
 「特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律」(化学物質排出把握管理促進法)に基づき、PRTR制度の対象となる事業者は第1種指定化学物質の環境への排出量・移動量の届出を行う必要がある。
 今般、環境省では14年度の届出を促すPRTR普及啓発用のチラシを作成した。
 また、平成13年度の化学物質の排出量・移動量の集計結果は環境省ホームページ(http://www.env.go.jp/)に掲載されている。
 「化学物資を取り扱う事業者の方へ」は「資料7」のとおり。
■PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)とは (環境省HPより)
PRTRとは、有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握し、集計し、公表する仕組みです。
 対象としてリストアップされた化学物質を製造したり使用したりしている事業者は、環境中に排出した量と、廃棄物として処理するために事業所の外へ移動させた量とを自ら把握し、行政機関に年に1回届け出ます。
 行政機関は、そのデータを整理し集計し、また、家庭や農地、自動車などから排出されている対象化学物質の量を推計して、2つのデータを併せて公表します。
 PRTRによって、毎年どんな化学物質が、どの発生源から、どれだけ排出されているかを知ることができるようになります。
 諸外国でも導入が進んでおり、日本では1999(平成11)年、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」により制度化されました。
 この法律によって、該当の事業者の皆さんは、平成13年4月から、化学物質の排出量などを把握する必要が出てきました。
 また、平成14年4月から、第1回目の排出量などの届出が始まりました。
 平成15年3月には、環境省及び経済産業省は第1回目の集計結果の公表を行いました。

整政連の平成15年度活動方針決まる
 日本自動車整備政治連盟は、去る3月20日、東京都千代田区の東条インペリアルパレスで第29回通常総会を開催し、第1号議案「平成14年度事業報告(案)及び平成14年度収支決算報告(案)について」、第2号議案「平成15年度活動方針(案)及び平成15年度収支予算(案)並びに平成15年度会費徴収(案)について」、第3号議案「規約の一部改正(案)」について、第4号議案「政治活動資金確保について」、第5号議案「その他」についてそれぞれ審議が行われ、いずれも原案どおり可決承認された。
 「平成15年度活動方針」及び「新役員名簿」、並びに「自動車整備議員連盟名簿」は「資料8」のとおり。

燃費の良いガソリン乗用車ベスト10
 国土交通省では、国内で販売若しくは今後販売が予定されているガソリン乗用車について燃費の良いもののベスト10を取りまとめた。
最も燃費の良いガソリン乗用車は、小型・普通乗用車ではインサイト(ホンダ)、軽乗用車ではミラ(ダイハツ)であった。なお、これは2002年12月31日現在で型式指定を受けているものを取りまとめたもの。
国土交通省発表による「燃費の良いガソリン乗用車ベスト10」は「資料9」のとおり。
  http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/09/090328_.html
【ガソリン乗用車(普通・小型)ベスト10】

順位
メーカー名
通称名
燃費[km/l]
型式
変速機形式
総排気量[l]
1
本田技研工業(株)
インサイト
35.0
YA-ZE1
5MT
0.995
2
トヨタ自動車(株)
プリウス
31.0
ZA-NHW11
CVT
1.496
3
本田技研工業(株)
シビックハイブリッド
29.5
ZA-ES9
CVT
1.339
4
トヨタ自動車(株)
ヴィッツ
25.5
UA-SCP13
CVT
1.296
5
本田技研工業(株)
フィット
23.0
LA-GD1
CVT
1.339
6
ダイハツ工業(株)
ストーリア
21.5
UA-M100S
5MT
0.989
トヨタ自動車(株)
デュエット
21.5
UA-M100A
5MT
0.989
トヨタ自動車(株)
プラッツ
21.5
UA-SCP11
5MT
0.997
9
日産自動車(株)
マーチ
21.0
UA-AK12
5MT
1.240
10
ダイハツ工業(株)
YRV
20.5
LA-M200G
5MT
0.989
ホンダ(タイランド)
フィットアリア
20.5
LA-GD6
CVT
1.339
 ※インサイト、シビックハイブリッド、プリウスは、ハイブリッド自動車である。

平成14年第2四半期(平成14年7月〜9月)に全国の自動車整備振興会に設置された「自動車整備相談所」に寄せられた相談件数は81件
 平成14年第2四半期(平成14年7月〜9月)に全国の自動車整備振興会に設置された「自動車整備相談所」に寄せられた相談件数は、81件であった。その内訳は整備関係52件、販売関係11件、その他18件となっている。
 主な相談事例は「資料10」のとおり。


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平成15年度事業計画に基づき、「事務局情報」は、平成15年7月1日号からインターネット「ホームページ」による配信とさせていただきますのでご了承下さい。
7月1日号からは「TOSSNET」の事務局情報をご覧下さいますようお願い申し上げます。
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