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2007/01/01最近の話題

平成19年 年頭所感 坂本浅喜與会長理事長


 



社団法人 東京都自動車整備振興会 会 長
東京都自動車整備商工組合       理事長
                坂 本  浅 喜 與

 


 新年明けましておめでとうございます。
 平成19年の新年にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。


 昨年、政府は日本の景気は戦後最長だった「いざなぎ景気」を超え、景気拡大局面が続いているとの認識を発表いたしました。
 平成18年版「自動車整備白書」によると、総整備売上高は5兆9,561億円と3年連続でプラスとなったものの、平成13年の6兆円台を回復するまでには至らず、政府が発表するほどに自動車整備業界には景気回復の実感は伝わってきておりません。


 こうした厳しい環境のなか、自動車整備業界にあっては、一昨年12月末に東京をはじめとした一部地域において、新車の新規登録(型式指定車)に限っての「自動車保有関係手続きのワンストップサービス(OSS)」が開始されました。新車のOSS利用件数は、残念ながら伸び悩みの状況が続いておりますが、私共に直接関係する、継続検査のワンストップサービスにつきましては、平成20年以降に導入される予定となっております。

 また、昨年6月には、違法駐車の取り締まり強化と放置違反車両確認業務を民間委託する「改正道路交通法」が施行されましたが、昨年は警察庁の協力のもとに日整連が構築した「放置違反金滞納車情報照会システム」に関しての会員事業場説明会に積極的に取り組んだ年でもありました。おかげさまで、このシステムは会員事業場皆様のご協力により、大きなトラブルもなく運用されておりますので、引き続きご理解の程お願い申し上げます。


 車検期間延長問題については、自家用乗用車の車検期間の延長は見送られ、小型二輪車の初回の自動車検査証有効期間が二年から三年に延長となりました。この改正車両法は一昨年5月19日に公布され、本年には施行されることとなります。これら規制緩和等の制度改正に対応するため、法規税制対策事業として要望活動や早朝研修会を開催し、関係方面に対して点検整備が果たす車両の安全性確保と環境保全について訴えてきました。今後も、このような活動を通じて種々の制度改正等について対応していくこととします。


 業界健全化対策の一環として、指定整備事業の適正化はもとより、整備事業者による車検整備PRチラシの適正化等に努めてきたところでありますが、誠に残念ながら、昨年は指定整備事業者の行政処分が相次いだ年でありました。
 これに対応するため、「指定整備事業適正化対策研修会」を開催するなど、指定整備事業者における法令遵守に努めてきましたが、自動車整備事業における適正化は指定整備事業者のみならず業界全体の大きな問題であります。更なるコンプライアンス意識の向上を図っていかなければなりません。


 昨年、国土交通省において、自動車の排出ガス測定方法及び車載式故障診断装置の基準等が改正され、平成20年10月よりガソリンまたはLPGを燃料とする車両総重量3.5t以下の新車に対し、高度な車載式故障診断装置(J-OBDII)の装備が義務付けとなりました。これにより、今後の自動車整備は「故障診断ツール」の技能取得が必須となり、高度化する自動車技術への対応が求められております。
 本年におきましても、整備技術の向上対策として、これらOBDツールに関する研修会はもとより、一級自動車整備士教育をはじめ、自動車整備技術者認定資格制度の普及促進や各種講習研修等を通じて会員事業場や整備士のニーズに対応した教育事業を展開し、更なる整備技術のレベルアップをサポートしていくこととしております。
 また、本年11月には「第16回全日本自動車整備技能競技大会」が開催されます。本会におきましても、全国大会へ出場する東京代表チームを選抜するため、支部予選会、ブロック予選会、決勝大会からなる「東京都自動車整備技能競技大会」を開催し、更なる自動車整備技術の向上を図っていく次第であります。


 自動車リサイクル法が施行され、2年が経過いたしましたが、会員組合員各位のご協力により、リサイクル料金の預託、自動車重量税の還付制度をはじめ、使用済自動車の引取業者や解体業者の登録等、リサイクル関連業務はこれまでのところ大きな支障もなく円滑に推進されております。
 自動車リサイクル料金の徴収、預託については、平成20年の1月をもって終了となりますが、引き続き本制度が円滑に推進されるよう、リサイクル料金預託等の手続きを行う窓口の適切な運営に努めていくこととしております。
 また、自動車整備事業の環境問題対応として「環境に優しい自動車整備工場顕彰制度」「オアシス事業場の普及促進」等、積極的な対応を図っておりますが、特に昨年は、オアシス事業の一環として、「かけこみ110番」の実施を会員事業者へ呼び掛け自動車整備業の社会的地位の向上と、地域社会への貢献に努めております。
 
 本会の車検予約システムはインターネットを活用した「TOSS業務統合システム」に移行し、はや2年が経過いたしました。昨年においては、本システムの更なる拡充を行い、整備主任者法令研修並びに自動車検査員研修のインターネット受付を開始いたしました。
 また、本会本組合のホームページである「Tossnet」並びに「都整商インターネットショップ」をリニューアルすることで、多くの会員組合員の方々が見やすく、親しみのあるホームページを目指し、会員組合員事業場へのIT化支援を行ってきました。
 特に、商工組合においては、本システムにおいて、組合員証(ICカード)チャージ金から購販商品代金の引き落しなどによって、組合員のIT化支援に努めてきましたが、本年はインターネットショップのリニューアルを契機に、購販事業商品の更なる販売拡充に努めていく所存です。
 社会全体がIT化される時代に、業界はもとより個々の自動車整備事業者におけるIT対応は急務でありますが、これによって会員組合員の皆様方の利便が後退しないことを考慮し、更なるIT化を進めていきたいと思っている次第であります。


 自動車ユーザーに対する広報活動として、定期点検整備の必要性と自動車の保守管理意識高揚を目指して、マスメディアによるユーザー広報活動を積極的に実施してまいりました。そのひとつとして、「てんけんくんラッピングバス」5台の走行、毎日自動車整備新聞の発行、ラジオCM放送等、各メディアを利用し「安全」と「環境」を守る観点から点検整備の重要性を自動車ユーザーに向けて広くアピールしているところでありますが、これらのユーザーに対する啓発活動を絶やすことなく継続して取り組んでいくことが、我々業界団体に与えられた使命であると思います。


 振興会における、今後の大きな課題として、公益法人制度の改革があります。改革関連法案が公布され、平成20年に施行予定となっていますが、公益法人運営上の具体的な指針はまだ示されていません。今後、振興会が新たな公益法人として認定されるための適切な対応を図っていかなければなりません。


 一方、商工組合にあっては、ポスト構造改善事業として整商連が提言する「これからの商工組合事業のあり方に関する提言」に「指導・教育事業、情報収集・提供事業、調査・研究事業」等の事業推進が示されておりますが、これらの事業は自動車整備業界全体の事業として、振興会と一体的に推進することにより、組合経営基盤の強化と事業の円滑効率化に努めてまいります。


 最後になりますが、本年は業界団体としての原点に戻り、会員・組合員のための振興会・商工組合となるよう、新たな気持ちをもって組織を運営していくつもりでございます。また、事務局においても一層の効率化を目標とし、会員組合員へのサービスに努めていくことを主眼としたうえで、新しい事業や組織のあり方を模索していきたいと考えている所存でございます。
 関係官庁、関係団体、また会員組合員各位の深いご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様方の事業のご繁栄を祈念いたしまして年頭のご挨拶とさせていただきます。

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