――整備士になったきっかけを教えてください
父は自動車整備士で、私はその背中を追ってきて、今ここにいます。
自動車の整備を通じてお客様が喜ぶ姿に心を打たれ、整備士になる決意をしました。
クサいことをいってしまいましたけれど、故障を直すのって、単純にカッコいいですよね(笑)
――整備士はどんな仕事だと思いますか
現代の自動車は高度化され、コンピュータを超えて「ロボット」化しています。高い技術(で作られた製品)を扱うためには相応の勉強が必要です。昔ながらの整備イメージでは対応しきれなくなっている現状があります。
自動車整備は、職人のカンと機械工学が絶妙な形で織りなす芸術。整備士はその指揮者ともいえるでしょう。
――整備をしていて難しいな、と感じることはありますか
整備をしていて難しいなと思うのは「職人のカン」です。
「熟練の技術者=職人」は経験の蓄積から直感的に本質を見抜くことができます。しかし、一歩間違えば先入観が誘発するミスにも繋がりかねません。ミスを防ぐためには、根拠をしっかりと持つこと。(知識や技術の)裏付けがあってこその「職人のカン」だと私は考えます。
――整備士のやりがいを教えてください
お客様の人生を運ぶ自動車。その自動車の点検整備を任される自動車整備士は、誇りある仕事です。そして、常に新技術を学んでいく姿勢が求められる求道的な職でもあります。
2年おきに自動車整備士の日本一を決める技能コンクールも実施され、自分の技術や熱意を発揮させる場があるのも嬉しいです。
自動車整備士は、整備作業を通して「自分と向き合う」ことのできる仕事です。自分の弱さや強みを認識して、前向きに進んでいくことができます。そして、努力と経験が確実に仕事と評価に反映される職業だと思います。
一言でいうと「やりがい」のある業界です。皆さんがもっと興味をもって頂けたら嬉しいですね。