東京都予算等に対する要望聴取会
~東整振都整商から3項目の要望~
●自動車が排出する黒煙とCO2を低減させる効果のある点検整備の励行について積極的に都民広報を ●指定自動車整備事業者に対する固定資産税の免除を ●都内における二輪車駐車場の拡充を |
平成26年9月1日(月)、東京都議会自民党主催による「平成27年度東京都予算等に対する要望」のヒアリングが自民党総会室(新宿・都議会棟)において開催された。
当日は自民党所属の都議会議員が多数列席するなか、西村健二会長理事長、市川豊彦副会長、鯉沼誠一副理事長、北田耕助専務理事が出席し、東整振都整商として3項目の要望を行った。
はじめに、村上英子幹事長は「自動車整備業の皆様におかれては、石原慎太郎都知事の時代にディーゼル車規制を実施し、都の政策にご協力をいただいたことから関係が深化したように感じている。また昨今では、自動車保有台数が横ばいに推移しているなかで整備に携わる技術者が減少していることを聞いている。そのような状況から、自動車整備士の皆様のご意見をしっかりと受け止めたうえで都政へ反映させてまいりたい」と述べた。
今回の要望にあたり、西村会長理事長は「自動車税の納税通知書の封筒による自動車の点検整備促進のための広報活動について、平成24年より継続的な実施をいただいたことにお礼を申し上げる。
東京都内には、440万台強の自動車が運行に供しているが、内訳をみると、ハイブリッド車など先端技術を導入した次世代自動車の急速な増加と、車齢が10年を超過した長期使用車両の増加という2つの大きな傾向を示している。
ハイブリッド車などの次世代自動車においては、昨今の新車販売でも常に上位なことからも明らかのように、保有台数に占める割合は急速に増加している。これらの車両は、電気モーターの活用などによって飛躍的な燃費の向上と排出ガスの低減を実現しているとともに、最近では、ビデオカメラ、レーダーなどのセンサーを搭載し、対クルマや対歩行者への衝突を未然に防止する『衝突被害軽減ブレーキ』など、いわゆる予防安全技術が採用される車両が多くなってきている。
このため、従来の車両と比較してもコンピュータやセンサー類の増加など複雑化が進行していることから、性能の維持と自動車使用者の安全を確保していくためには定期的な点検整備の実施による的確な点検調整の必要性が増加している。また、保有車両のうちの約4割を占める車齢10年を超える長期使用車両についても、自動車の性能を維持していくためには、経年による劣化や摩耗などによる故障を未然に防止するために定期的な点検整備の実施が不可欠なものであり、総じて昨今の自動車情勢においては『点検整備実施の重要性』が増している現状にある。
国土交通省においても、今年2月より車検を実施した車両に交付される車検証に車検の実施種別のほか「点検整備の実施状況」の記載が開始されるなど点検整備実施の実効性向上のためにご尽力をいただいているところであるが、引き続き東京都における広報等の活動についても更なるお力添えをお願い申し上げたい」と述べた。
要望事項の要旨説明後に行われた質疑応答において、高橋かずみ議員は「二輪車の駐車場拡充の件については、数年前より要望をいただいていることから、駐車場設備を管轄する東京都道路整備保全公社に対し拡充の要請を行っているところであるが、更なる拡充の必要性を感じていることから改めて働きかけを行ってまいりたい。また、指定自動車整備工場における固定資産税の件に関しては、東京都内での事業者数や規模などについての詳細な実態を伺いたい」と述べたほか、高島なおき議員は「今年度中には燃料電池車が市販されると聞いているが、普及促進のためには燃料インフラの整備が欠かせない要素であると考えている。そのため、現在はガソリンスタンドで水素供給が可能となるよう制度の整備を進めているところである。普及には欠かせない『整備』にあっては、ハイブリッド車を含めて販売店による実施の比重が大きい傾向があると聞いており、今後このような車両が増加した場合に業界としてどのように取り組んでいく必要があると考えているのかを伺いたい」と述べた。
また、早坂義弘総務会長代行より「事業用のタクシーやバスと比較してトラックの定期点検整備実施率が低い理由」などについての質問があった。
■平成27年度東京都予算等に対する要望書