東日本大震災における海水による被災冠水自動車
(通常のガソリン車、ディーゼル車を対象)への対応の注意喚起について
◎海水の浸水による冠水被災車両の使用可否の判断
海水の浸水した冠水車両は、海水による電気化学作用により、配線、基板等が腐食し、シ
ョートによる機能部品の作動不良や車両火災の危険性が高くなることから、冠水車両の使用
に当たっては、その使用可否の判断が重要となります。
以下に技術的な安全性を考慮して使用可否の判断要領を参考として示します。
1.海水が浸水した車両の冠水位置の確認方法
どの位置まで海水が冠水(泥水等の痕跡で判断)したか確認を行う。
【冠水位置(泥水等の痕跡)の判断】
・ボディ表面に付着した泥水等の痕跡ライン
・エンジンルーム内の泥水等の痕跡ライン
・フロアーマット、シートの泥水等の痕跡ライン
(注意) 車両の傾き等により冠水状態は異なることから冠水状況の一番高い位置で判断す
る。イラストは乗用車であるが、貨物車についても判断基準は同様である。
2.海水が浸水した冠水車両の使用可否判断
(1)Aの範囲内の車両の取り扱い(車室内への浸水(泥水等の痕跡)は無い)
以下の点検を実施した後、異状なしならば、喫緊の使用は可能と判断する。ただし、早
い機会に定期点検を行う。
(1)イグニッションスイッチをACCの位置にして、各部の配線等にショートしている個所
がないか確認する。
(2)エンジンを始動させ各警告灯に異状が無いこと、また、エンジンから異音等が無いこと
を確認する。
(3)制動装置類の点検(ブレーキディスクやブレーキドラム内の発錆等)
(4)灯火類の点検
A
日本自動車整備振興会連合会は、海水に冠水した自動車への注意喚起資料を作成した。
これは、東日本大震災で被災した車両のうち、外見上軽微な損傷が認められるものについて、自動車ユーザーより整備工場に対し、使用の可否についてアドバイスが求められることを想定した内容となっている。
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東日本大震災における海水による被災冠水自動車 (通常のガソリン車、ディーゼル車を対象)への対応の注意喚起について ◎海水の浸水による冠水被災車両の使用可否の判断 海水の浸水した冠水車両は、海水による電気化学作用により、配線、基板等が腐食し、ショートによる機能部品の作動不良や車両火災の危険性が高くなることから、冠水車両の使用に当たっては、その使用可否の判断が重要となります。 以下に技術的な安全性を考慮して使用可否の判断要領を参考として示します。1.海水が浸水した車両の冠水位置の確認方法 どの位置まで海水が冠水(泥水等の痕跡で判断)したか確認を行う。 【冠水位置(泥水等の痕跡)の判断】 ・ボディ表面に付着した泥水等の痕跡ライン ・エンジンルーム内の泥水等の痕跡ライン ・フロアーマット、シートの泥水等の痕跡ライン (注意) 車両の傾き等により冠水状態は異なることから冠水状況の一番高い位置で判断する。 イラストは乗用車であるが、貨物車についても判断基準は同様である。2.海水が浸水した冠水車両の使用可否判断(1)Aの範囲内の車両の取り扱い(車室内への浸水(泥水等の痕跡)は無い)以下の点検を実施した後、異状なしならば、喫緊の使用は可能と判断する。ただし、早い機会に定期点検を行う。 (1)イグニッションスイッチをACCの位置にして、各部の配線等にショートしている個所がないか確認する。 (2)エンジンを始動させ各警告灯に異状が無いこと、また、エンジンから異音等が無いことを確認する。 (3)制動装置類の点検(ブレーキディスクやブレーキドラム内の発錆等) (4)灯火類の点検
(2)Aの範囲を超えた冠水車両の取り扱い 現況では喫緊の使用は否と判断する。以下の危険回避措置を講じる。 (1)絶対にスタータは回転させない。 (2)バッテリのマイナス側のターミナルを外し、ターミナルがバッテリと接触しないような措置(テープなどで覆う)を行う。 (電気部品や配線のショートによる車両火災防止やエアバックの暴発防止) ※Aの範囲を超える冠水車両の完全な修復整備は難しく、修理後も故障を起こす可能性が高いことを念頭に入れる必要がある。一般例としては修復費が車両価格を上回ることもある。 (3) EV、HV車両の海水が浸水した冠水車両への対応 Aの範囲内であっても、車種によっては、高電圧の配線等が冠水している場合もあることから販売店へ相談する。 |