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2010/04/19最近の話題

自工会、2009年度二輪車市場動向調査を公表

 一般社団法人日本自動車工業会は、2009年度に実施した二輪車市場動向調査の結果をまとめた。
 この調査は、同会が多様化する二輪車市場の変化を捉えるため、隔年毎に新車購入ユーザーを対象にアンケート調査を行なっているもの(時系列調査)。
 今回は5,575サンプルの回答があり、新車購入ユーザー調査に加え2つのトピック調査を行った。
 詳細は以下のとおり。
 

I.二輪車新車購入ユーザー調査(時系列調査結果)の主な特徴として以下の点が見られた。

 男女とも「10代」「20代」の比率が時系列で減少し、特に女性「20代」の構成比は前回(07年度)に比べ半減、「50代以上」が増加し、平均年齢は全体で47.4歳と高齢化が進んでいる。
 需要形態は「代替」が57%と需要の中心となっている。「新規購入」は時系列で依然減少傾向。
 高速道路のタンデム走行経験者は22%と前回(19%)から若干増加した。
 今後の継続乗車意向は92%と前回(89%)と比べ若干増加した。
 
II.トピック調査の主な特徴として以下の点が見られた。
[1]二輪車に関する意識調査

 二輪車新規購入ユーザーは、購入動機として「燃費のよさ」「維持費の安さ」「移動時間の短縮」といった経済性・実用性を重視した動機が多い。一方、保有経験なし者においては「交通渋滞に巻き込まれずにすむ」点に魅力を感じている人が多いが、他方で「どの特性も購入意欲をかきたてない」の回答比率も大きい。
 ユーザー・ノンユーザー全体の6割は、「二輪車は環境性が優れている」とし、全体の2割は、「より環境性の高い二輪車が開発されれば、買い替え・購入を検討する」と回答した。
 東京都(特に23区西部)および大阪市などの人口集中地域を中心に、二輪車の駐車で困っている実態が浮き彫りとなった。

[2]販売店に関する調査
 二輪車購入時、ユーザーは、「信頼できる雰囲気」「分かりやすい説明」「整備内容の説明」「価格・諸費用の明確な表示」「試乗が可能」「商品を見るのに十分なスペース」「展示二輪車の品揃え」「アクセサリー・用品の品揃え」を重視している。
 一方、二輪車販売店は、「信頼できる雰囲気」「分かりやすい説明」「整備内容の説明」「価格・諸費用の明確な提示」等を重視しており、ユーザーの重視項目と一致しているが、ユーザー満足度との間に差が生じていることがわかった。

 

2009年度二輪車市場動向調査の概要

1.市場調査活動について
 二輪車市場の変化を捉えるため、隔年毎にアンケート調査を行っている。
 

2.調査実施概要

 新車購入ユーザー調査二輪車に関する意識調査販売店に関する調査
調査手法 
郵送調査
WEB調査
WEB調査
郵送調査
調査地域
全国
全国
全国
東京都・大阪府
調査対象新車購入ユーザーユーザー・ノンユーザー
若年層(10代・20代)、
ミドルエイジ層(40代・50代)、
その他年齢層(30代及び60歳以上)
ユーザー・ノンユーザー
若年層(10代・20代)、
ミドルエイジ層(40代・50代)、
その他年齢層(30代及び60歳以上)
二輪車販売店
東京都 専売店・併売店、
大阪府 専売店・併売店
有効回収数5,575サンプル
(回収率:53.9%)
2,514サンプル
 うちノンユーザー689人
「普通自動車免許」非保有者197
2,514サンプル
 うちノンユーザー689人
「普通自動車免許」非保有者197
146サンプル
(回収率:28.9%)
調査実施期間 2009年8月~9月2009年11月2009年11月2009年11月~12月

 
3.今回調査結果
 (1)新車購入ユーザー調査
 性年代別では、男性は「10代」「20代」の比率が時系列で減少、女性も「10代」「20代」で減少しており、特に「20代」の構成比は前回調査から半減となり12ポイント減少した。
 需要形態は、「代替」が57%と需要の中心となっている。「新規購入」は15%と前回(18%)より減少、「再度購入」「増車」は前回と同程度となっている。
購入車種の決定ポイントは、「スタイル・デザイン」「燃費のよさ」が最も多く、次に「扱いやすさ」の順。
 使用用途は、「通勤・通学」が45%、「買物・用足し」(30%)の順で高いものの、時系列でみると「通勤・通学」が減少傾向にあるのに対し、「買い物・用足し」や「ツーリング」が増加。
 月間走行距離の平均は「270km」。前回に比べ(+16km)長くなっている。
 今後も二輪車に乗り続けたいという人は92%で、多くの人が継続乗車意向を示しており、前回(89%)に比べ、やや増加している。
 環境変化時の継続乗車意向は、「駐車スペースがなくなった時」「経済的に余裕がなくなった時」を、二輪車保有を中止する要因としてあげているが、結婚や子供が生まれるなどライフステージ上の変化や、盗難や事故で新車を失っても、二輪車に「乗りつづける」とする回答者が5割と多い。
 
 (2)二輪車に関する意識調査(二輪車の購入・環境性・駐車場問題)
 
  [1]二輪車購入の意識
 新規購入ユーザーは、若年層・ミドルエイジ層ともに「燃費のよさ」「維持費の安さ」「移動時間の短縮」「自転車に比べて楽」等の経済性や実用性を重視した購入動機をあげる人が多い。一方、保有経験なし者においては「どの特性も購入意欲をかきたてない」人が大きな割合を占めている。
 若年層の代替ユーザーは、「解放感を味わえる」「スピード感を楽しめる」「乗っていて爽快感を楽しめる」「二輪車を操る楽しさ」といった楽しさ面を重視した購入動機をあげる人が多い。
 一方で、若年層の購入後数年経過したユーザーでは、「移動時間が短縮」「駐車スペースを気にしなくて良い」「行動範囲の拡大」「身軽に動ける」といった実用面を重視している傾向がある。
ミドルエイジ層の代替購入ユーザーと購入後数年ユーザーとの間で購入動機に大きな差はない。
 
 [2]二輪車の環境性

 全体では6割の回答者が二輪車の環境性は優れていると考えており、二輪車の環境性に否定的な回答者は約1割である。ノンユーザーに限ってみると、二輪車の環境性を優れていると考える回答は約4割強に落ち込む。一方で、「分からない」という回答が半分近くにのぼり、二輪車の環境性に否定的な回答者は約1割程度となっている。
 二輪車の環境性に対する認識を持った時期については、全体では「5年以上前から」38.1%が最も多く、次に「つい最近」29.2%となっている。
 
 [3]二輪車の駐車場

 居住地における二輪車駐車場の整備状況に関する不満点・満足点を見ると、東京および大阪周辺など都市部において「駐車場が少なく、いつも駐車に困っている」という回答が目立つ。
 よく訪れる地域についても、特に駐車に困っているユーザーは東京(特に23区西部)および大阪市といった都市部に集中している。

 
(3)二輪車販売店に関する調査(雰囲気・店舗・情報提供・店舗での取り組み・接客・スタッフ対応について)

 
 [1]<二輪車販売店に対する調査>

【雰囲気】
 購入時、メンテナンス時ともに、最も重視しているのは「信頼できる雰囲気」次いで「一人・女性でも入りやすい雰囲気」
 
【店舗自体】
 購入時、メンテナンス時ともに、最も重視しているのは「整備内容のしっかりした説明」次いで「きめ細かな接客」。
 
【情報提供】
 購入時では、最も重視しているのは「店舗のホームページ」。
 メンテナンス時では、最も重視しているのは「定期整備の案内」。
 
【取り組み】
 購入時では「価格・諸費用の明確な表示」。
 メンテナンス時では「技術力の高さ」。
 
【接客・スタッフの対応】
 購入時、メンテナンス時ともに、最も重視しているのは「分かりやすい説明」。次いで 「商品自体についての知識」「丁寧な言葉遣い」。
  
[2]<ユーザーに対する調査>

【雰囲気】
 「信頼できる雰囲気」「一人でも入りやすい雰囲気」が購入時・メンテナンス時とも重視度に対して満足度が低い。
 
【店舗特性】
 「整備内容のしっかりした説明」が購入時・メンテナンス時とも、重視度に対して満足度が低い。
 
【情報提供】
 購入時・メンテナンス時共に多くの項目でユーザーの満足度がユーザー重視度を上回っているが、「店舗のホームページ」と「定期整備の案内」についてユーザーの重視度が高い。
 
【取り組み】
「価格の安さ」についてはユーザー重視度とユーザー満足度の差が最も大きい。
 
【接客・スタッフの対応】
購入時・メンテナンス時共に「分かりやすい説明」「商品自体についての知識」がユーザーの満足度が重視度に比べて低い。メンテナンス時にはそれに加えて「運転・カスタマイズに関する知識」がユーザーの満足度が重視度に比べ、比較的低い。 


【関係資料】
 ■2009年度二輪車市場動向調査報告書(5.45MB)

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