2009年度軽自動車の使用実態調査の概要 < 調査設計概要 > 調査対象:自家用軽四輪自動車を保有する世帯及び事業所 調査地域:全国 回収数:3,031サンプル 調査実施時期:2009年5月中旬~6月中旬
< 調査結果概要 > 1.軽自動車使用実態 〔 乗用車(ボンバン含む)〕 主運転者は女性が6割台と高い比率で推移。 全体では、60歳以上の比率が増加し、平均年齢は48.2歳で高齢化が進んだ。 軽自動車ユーザーの75%が他の車との併有で、普通・小型車との併有は54%を占める。最近2年間の新車購入ユーザーの場合、軽自動車からの代替が51%を占める。一方で「普通・小型車からの代替(ダウンサイジング)」は前回から増加して29%となった。 〔 商用車 〕 軽キャブバン・軽キャブワゴンの用途タイプは「商用」が40%、その具体的な使い方では「一般家庭など最終消費者への配達」が最も多い。 軽トラックの用途タイプは「農用」が4割台で推移、その他の仕事・商用での使い方では、「工場、現場まわり」が多い。 2.人口規模別にみた軽自動車の社会的役割 軽自動車は地方・郡部での保有が多く、10万人未満の市および郡部での保有が46%(人口構成比32%)、30万人未満の市・郡部では73%(同56%)を占める。 人口の少ない地方・郡部になるほど、公共交通機関の利便性は悪いと感じている。 人口10万人未満の地域では、車で通勤・通学している人が公共交通機関を利用した場合、48%が「行けない」または「行きにくい」と回答。結果、公共交通機関を使って通勤せざるを得なくなったら、「勤務先を辞めなければならない」とする切実な影響が出る比率は21%に達する。 3.女性の日常生活を支える軽自動車 女性ユーザーは50歳以上の比率が高く、高齢者は増加傾向にある。 働く女性の比率は、一般女性と比較して全ての年代で高く、働く女性の生活を支える足として軽自動車は貢献している。 働く既婚女性は、自分専用の軽自動車を持つ比率が高く、主に通勤用途に使っている。特に未就学児を持つ場合、通勤用途が高くなる。 購入時の重視点は、女性は男性に比べ「車使用面」の比率が高いが、働く既婚女性は「経済性面」の比率が高くなる。 働く既婚女性は通勤に車を使えなくなると、「出勤・帰宅時間が変わる」「家事の時間にしわ寄せ」「用足しができない」など、貴重な時間を削られて生活に支障が出る。特に子どもが小さいとその影響が大きい。 働く既婚女性は軽自動車がなくなった場合「非常に困る」の比率が高いが、なかでも暮らし向きの満足度が低い層はその傾向が特に強く、この層の軽自動車の必要性は高い。 4.高齢者の生活を支える軽自動車 軽ユーザーは高齢化の傾向にあり、65歳以上では男性比率が女性比率を上回る。また、1~2人の小規模世帯が多く、その年収は若い年代に比べ低い。 高齢者になると買物用途が増え、また、「病院への通院・送迎」の比率が非常に高くなる。 代替比率が高く、特に今回調査では、高齢者は「普通・小型車からの代替」比率が大幅に増加した。なお、新車購入ユーザーの世帯年収は、若い年代に比べると非常に低い。 軽自動車がなくなった場合、経済性面では「経済的理由で車が持てなくなる」、車使用面では「行動範囲が広くなく大きい車は無駄が多い」との理由で不都合になるという比率が、若い年代に比べ多い。また、用途として高比率の「買物」も、車がなくなると行けなくなるという、日常生活に支障をきたすことになる高齢者も多い。 今後も車を運転し続ける、今後も車を買い替える予定という意欲的な高齢者は多く、80歳以上でも約5割は今後も買い替え意向がある。 5.経済環境変化の影響とダウンサイジングユーザー 軽ユーザーの世帯年収は前回に比べ低下。暮らし向きのゆとり感や満足度も前回調査時から落ち、所得格差の拡大もみられる。 世帯年収別では、400万円未満のユーザーでダウンサイジングした比率が43%に達し、高い。 この2年間にダウンサイジングしたユーザーは、男性比率が5割近くを占め、50歳以上の高年齢層に多い。また、ダウンサイジングユーザーの世帯年収は他の層に比べ低く、さらに前回調査時に比べても低下しており、経済的背景がダウンサイジングを促進させていることが推察される。 |