「不正改造車を排除する運動」実施要領
平成22年4月 国土交通省自動車交通局
第1 日 的 我が国の自動車保有台数は、平成21年12月末現在で約7,904万台を超えており、自動車が国民生浩に十分定着した移動・輸送手段となっている。一方、昨年の交通事故による死者数は57年振りに4千人台となったが、負傷者数は、近年減少しているものの、依然として年間90万人を超える状況が続いている。 このような状況の中、暴走行為、過積載等を目的とした不正改造車が、安全を脅かし道路交通の秩序を乱すとともに、排出ガスによる大気汚染、騒音等の環境悪化の要因となっていることから、その排除が強く求められているところである。 また、最近では自動車のスタイルを重視する余り、マフラー等の自動車部品の取付けにより保安基準に適合しなくなる等違法とは知らずに改造を行っている自動車使用者も見受けられる。 このため、「不正改造車を排除する運動」を全国的に展開することにより、車両の安全確保・環境保全を図り、国民の安全・安心の確保を確実に実現する。 第2 実施機関 国土交通省及び自動車関係33団体で構成する「不正改造防止推進協議会」(以下「協議会」という。)が中心となって、内閣府、警察庁、農林水産省、経済産業省及び環境省の後援並びに自動車検査独立行政法人、軽自動車検査協会の協力のもとに本運動を実施する。 第3 実施期間 「不正改造車を排除する運動」は、年間を通じた運動とするが、平成22年6月1日(火)から6月30日(水)までの1ケ月間を「不正改造車排除強化月間」(以下「強化月間」という。)とし、特に重点をおいて運動を実施する。 第4 重点実施事項 1.重点排除項目 次に掲げる不正改造事例の排除に重点をおいて「不正改造車を排除する運動」を実施するものとする。 また、自動車使用者へのアンケートの結果等を踏まえ、特に認知度が高く社会的に排除の要請が大きい(4)については、強化月間に行う街頭検査等において特に重点的に排除に努めるものとし、認知度が低く、使用者が自覚せずに不正改造を行っているおそれのある(1)、(2)、(3)及び(6)については、年間を通じ、広報等において特に重点的に啓発に努めるものとする。 (1)視認性、被視認性の低下を招く窓ガラスへの着色フイルム等の貼付及び前面ガラスへの装飾板の装着 (2)クリアレンズ等不適切な灯火器及び回転灯等の取付け (3)タイヤ及びホイールの車体外へのはみ出し (4)騒音の増大を招くマフラーの切断。取外し及び基準不適合マフラーの装着 (5)土砂等を運搬するダンプの荷台さし枠の取付け及びリアバンパの切断・取外し (6)基準外のウイングの取付け (7)不正な二次架装 (8)大型貨物自動車の速度抑制装置の不正改造 (9)ディーゼル黒煙を悪化させる燃料噴射ポンプの封印の取外し
(10)不正軽油燃料の使用 2.重点実施事項 (1)自動車使用者への啓発 年間を通じ、重点排除項目にあるような不正改造の具体的な事例を紹介し、自動車使用 者の不正改造に関する認識向上を図る。この際、(第4)1(1)、(2)、(3)及び(6)について、特に重点的に認識向上に努めるものとする。 また、強化月間においては、マスメディア等を併せて活用しつつ、自動車使用者(特に10代、20代)に対し重点的かつ直接的に啓発活動を行う。 (2)街頭検査の実施 警察等関係機関の協力を得ながら街頭検査を実施する。その際には、原動機付自転車も対象とし、不正改造されていた場合等には警告書を交付するとともに、報告を求める。 また、強化月間においては、(第4)1.(4)の排除に特に重点を置いた街頭検査を実施するものとする。 (3)支局等構内検査の実施 申請や変更登録等のために支局等に来所した車両について、特に強化月間に重点をおいて検査を行い、不正改造をしていた場合には整備命令書の交付等を行う。 (4)迷惑改造車相談窓口(不正改造車110番)の設置・情報収集の充実、年間を通じ、地方運輸局及び運輸支局に迷惑改造車相談窓口(以下「不正改造車110番」という。)を設置する等により、不正改造車に関する自動車使用者等からの相談に応じるとともに、自動車使用者、関係事業者等から不正改造に関する情報を収集する。 強化月間においては、不正改造車110番の認知度向上のための広報活動をするとともに、自動車使用者等に対し、積極的な情報提供を呼びかける。 (5)不正改造車の自動車使用者に対し警告ハガキを送付、 年間を通じ、不正改造車110番に寄せられた情報等を基に不正改造車(疑わしい車両を含む。)の自動車使用者に対して警告ハガキを送付し、不正改造部分の改修を促すとともに、 改修結果等の報告を求める。 (6)アンケート調査の実施 強化月間に実施するイベント等の機会をとらえ、自動車使用者等に対し、不正改造に対する認識に関するアンケート調査を実施する。 (7)不正な二次架装に対する報告徴収及び立入検査 年間を通じ、不正改造等を行った者に対する報告徴収及び立入検査権限の規定を有効に活用し、不正な二次架装の抑止。早期発見及び架装メーカー、販売会社、自動車使用者に対する指導等を行う。 また、街頭検査における情報、不正改造車110番に寄せられた情報、警告ハガキの報告内容等を活用することにより、必要に応じて不正改造施工者に対する報告徴収及び立入検査を行う。 (8)整備事業者等による適正な整備。改造の推進 整備事業者等においては、自動車使用者等に対し、不正改造事例の紹介及び自動車部品・用品等の適切な取付方法等の周知を図るとともに、不正な改造となるような整備・改造の依頼を受けないようにする等により、適正な整備・改造の推進を図る。 第5 実施運営 1.国土交通省自動車交通局は、本実施要領に基づき、各地方運輸局及び内閣府沖縄総合事 務局に対して本運動の実施等について指示するほか、協議会参加各団体に対して本運動の趣旨、実施事項等を通知する。 2.国土交通省地方運輸局及び内閣府沖縄総合事務局は、各地方の実情を勘案して実施細目 を定め、協議会参加各団体の地方組織及び関係者に対して本運動の実施事項等について通知するとともに、本運動を積極的に推進する。 なお、運動における重点実施事項(第4)のうち1.(9)及び(10)に係る取組みについては、「ディーゼルクリーン・キャンペーン」と連携しつつ展開を図るものとする。 第6 報 告 国土交通省地方運輸局、内閣府沖縄総合事務局及び協議会参加各団体は、強化月間終了後、すみやかに実施結果を取りまとめ、国土交通省自動車交通局に報告する。
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