I 概況 平成20年度においては、全国93箇所の検査部及び事務所で、7,791千件(前年度比-6.3%)の保安基準適合性審査を実施した。このうち、ユーザー(受検代行者を含む。)の受検件数は32.3%に当たる2,518千件(前年度比-6.2%)であった。 また、街頭検査については、131千件(前年度比+16.1%、目標達成率122%)を実施した。この結果、当法人が実施した保安基準適合性審査件数は、合計7,922千件(前年度比-6.0%)であった。 検査種別毎では、新車販売台数の低迷等を反映して新規検査の審査件数は8.8%減少したが、継続検査件数は-2.3%と若干の減少に留まっている。再検査については、一回の申請に基づく入場回数を規定したことにより、-25.7%と大幅に減少した。 II 個別の取組状況 (1)サービスの向上と確実な審査実施に向けて、以下の事業を実施した。 (ア) 厳正かつ公正・中立な審査業務の実施の徹底 不当要求者への組織的対応を徹底し、不当要求の発生の防止に努めた。一回の申請に基づく入場回数の規定など審査業務における取扱いについて、審査事務規程を改正し充実・明確化を図った。また、CITA(国際自動車検査委員会)等を通じ諸外国の情報の積極的な収集に努めた。 さらに、職員能力の向上のため、自動車の技術革新等に対応して研修内容の充実を図るとともに、様々な業務実績について表彰を行うことにより職員の業務への取組意欲の向上を図った。 (イ) 検査情報の電子化等による検査の高度化 新規検査等において車両の画像を取得するとともに、自動車の諸元を高い精度で測定し、測定値を電子データとして取得する機能を合わせ持つ「3次元測定・画像取得装置」を全国に配備した。 また、不正受検の防止、検査情報の各種国土交通施策への有効活用及び使用者への審査結果の情報提供等のため、検査結果等を電子的に記録・保存する機能を有した装置等により構成される「自動車審査高度化施設」を関東検査部及び中部検査部管内を中心に導入した。 (ウ) 受検者等の安全性・利便性の向上 受検者への明確な注意表示、職員の事故防止に対する意識向上、同種事故の発生防止等の対策のほか、施設の改善などを進め、検査場における受検者等の事故防止に努めた結果、事故件数は平成18年度比17%減少した。検査機器の故障等によるコース閉鎖時間については、老朽化した機器の更新等を行うこと等により、平成18年度比17%減少した。 また、受検者の要望の把握のため、アンケート調査を実施し、分析結果を基に改善策を検討・実施した。予約制度の運用については、取り組み指針を定め、国や関係機関と連携して適正な運用に取り組んだ。 (エ) 自動車社会の秩序維持 社会的要請に対応した効果的な街頭検査の実施に努め131千件の保安基準適合性審査を行うとともに、カスタム・カー等のショウの展示車両やカー用品ショップの自動車部品・用品に対する啓発活動等を行い、不正改造車撲滅のための活動の充実を図った。また、検査法人業務に関連する展示会において活動のPRを行うなど、利用者の審査業務に関する理解の向上に努めた。
(2)業務運営の効率化に関する事項として、以下の事業を実施した。 事務所等毎の要員の配置計画に従って要員の削減を実施した。また、一般管理費や業務経費の支出を抑制するなど、業務運営の効率化に努めた。 (3)施設及び設備の整備 中期計画に従い、適切かつ確実に審査業務を実施するため、次の通り審査施設及び設備を整備した。 (1) 小牧事務所等の建替工事を開始した。 (2) 受検者が安全かつ快適に受検できるよう、また、検査場環境の改善を図るため、4輪同時測定式自動方式検査用機器(マルチテスタ)17基、大小兼用自動方式検査用機器19基、二輪車用検査機器4基の更新を行い、更新を行った機器に検査コースにおける受検案内用の音声誘導装置の設置を行った。 (3) 関東・中部検査部管内を中心とした33か所の検査場に自動車審査高度化施設を導入した。
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