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2009/04/10最近の話題

自工会、2008年度普通トラック市場動向調査

 (社)日本自動車工業会は、2008年度に実施した普通トラック市場動向調査の結果をまとめた。
 調査は、ユーザーと荷主を対象に実施され、普通トラックの保有・購入・使用実態や、輸送ニーズの変化と対応を時系列的に捉え市場構造の変化を把握することに加え、トラックに関する法令や条令の施行・改定といった物流を取り巻く最近の諸環境の変化を踏まえ、「環境問題に関する意識・対応方法(排ガス規制、改正省エネ法施行)」「 安全および安全装置に関する意識・必要性」「道交法改正・免許制度改変の影響・対応」「少子高齢化対応、ドライバー確保」についての把握も行われた。

■調査結果の主な特徴
 ・荷主を取り巻く経営環境が運輸業にも影響。合理化での取り組みで対応中。
 ・運輸業の平均保有台数は減少。通常積載率は2002年度以降最低水準。
 ・荷主は、時間指定・緊急輸送対応を一層重視。
 ・自動車NOx・PM法は、運輸業の65%に影響。対象地域以外へも広がりを見せている。
 ・運輸業の9割以上が交通事故防止安全対策を実施。「ドライバーの健康管理」がトップ。
  「各種機器によるサポート」も増加傾向。
 ・新免許制度の影響は、運輸業で3割。現状では、施行前の予想ほど影響が出ていない模様。また、ドライバー確保の取組みでは、運輸業の3割が「高齢ドライバーを活用」

■調査結果の概要
荷主を取り巻く経営環境が運輸業にも影響。合理化での取り組みで対応中
 ・荷主の半数以上では、「景気の停滞」や「原材料価格の上昇」などを背景に経営状況が「悪化」。
  また、2年後の経営状況も「悪くなる」が4割強と、2006年調査に比べて大幅に悪化している状況が窺える。
 ・運輸業では、このような荷主の経営状況悪化の影響を受けた形で、2年前と比べた荷扱い量水準が93.9%(2006年調査では97.4%)に減少。
 ・運送料金は5年前の96.9%水準で改善傾向。本調査の時期の影響*もあり、運輸業、自家用ともトラック運送上の問題点は、「燃料費の値上がり」が突出。
 ・厳しい経営の中、現行運賃の値上げを実施したのは25%、燃料サーチャージ制は10%が導入。
 ・運輸業の半数近くで「買い替え延長」や「稼働率向上」などの対策を実施。燃料の高騰に際しては、「燃料の共同購入」も今後の合理化策として4分の1程度のユーザーに注目されている。
       *本調査は2008年8月中旬~9月中旬にかけて実施しており、燃料高騰の時期と重なっている点に留意。

平均保有台数は減少。通常積載率は2002年度以降最低水準
 ・運輸業の平均保有台数は、2006年度に比べ0.8台減少し11.4台。
 ・保有車の使用年数は10年で、2002年度から延長傾向。
 ・運輸業の稼働状況では、フル稼働は約3割で2006年に比べ減少。
 ・通常積載率は86.3%で02年度以降最低、実車率は6.5割と横這い。月間走行距離は7,180kmと増加する一方、高速道路の利用距離割合は3.3割で減少。
 ・次期買い替え時の重視点は、「燃費のよさ」(53%)が今回もトップ。

荷主は時間指定、緊急輸送対応を一層重視
 ・荷主の8割以上が運送委託を実施しており、2006年度から増加。運送委託先数は増加傾向で平均11社程度。
 ・運送業者委託先の選定理由については、「時間指定・緊急輸送に対応」が最も多く、 2006年度からも増加する一方、「運賃面で融通がきく」は減少。
  荷主から運輸業者への車両仕様指示の内容では、「トラックのトンクラス」が7割と上昇。

自動車NOx・PM法は運輸業の65%に影響、対策地域以外へも広がりを見せている
 ・自動車NOx・PM法対策地域では運輸業の65%が影響を受けている。対応の進んでいる対策地域では影響は減少しているものの、対策地域以外での影響は増加しており、その差は縮まる傾向にある。
 ・省燃費対応は、運輸業、自家用ともに「ドライバー教育」がトップ、次いで「低燃費車両の導入」。改正省エネ法施行の影響をみると、2006年度は「エコドライブの推進」が最も多かったのに対して、2008年調査では「低燃費車両を導入」が最も多い。
 ・CNG・ハイブリッド車の今後の購入意向は運輸業で22%。「車両価格の高さ」が導入のネック。

運輸業の9割以上が交通事故防止安全対策を実施。「ドライバーの健康管理」がトップ。「各種機器によるサポート」も増加
  ・運輸業の9割以上が交通事故防止安全対策を講じている。運輸業では、「ドライバーの健康管理」がトップ。「乗務前の飲酒の有無の確認」「荷崩れ等の積み荷保全徹底」等前回から増加している実施の項目が多い。「各種機器によるサポート」も増加。
 ・現在使用しているドライバーサポート機器は「バックアイカメラ」「デジタルタコグラフ」。今後の使用意向は「車間距離警報装置」「追突被害軽減ブレーキ」「デジタルタコグラフ」などが多く、荷主の運輸業への希望は「ふらつき警報(居眠り防止)」「車間距離警報装置」が多い。

新免許制度の影響は、運輸業で3割。また、ドライバー確保の取組みでは、運輸業の3割が「高齢者ドライバーを活用
 ・新免許制度による影響は、運輸業では3割。自家用では2割以下。現状では、施行前の予想時ほど影響が出ていない模様。
 ・ドライバーの現在の確保状況と5年後の見込みでは、大型免許所有者の不足が中型免許以下と比べて、多く予想されている。
 ・ドライバー確保の取り組みとしては、運輸業では、「高齢者ドライバーの活用」が「教育・研修の充実」に次いで3割を超えて多く、少子高齢化の影響も窺える。



■ 自工会ホームページ
 ・自工会ニュースリリース「2008年度普通トラック市場動向調査について」 
 ・2008年度普通トラック市場動向調査報告書(PDF:3.14MB)

 

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