日本自動車工業会は、2007年度に実施した二輪車市場動向調査の結果をまとめた。
調査は、多様化する二輪車市場の変化を捉えるため、隔年毎に新車購入ユーザーを対象にアンケート調査を行なっているもの(時系列調査)。
今回は5,057サンプルの回答があり、時系列調査に加え、二輪車市場が直面する課題や二輪車需要の維持・拡大に向けた施策の方向性を探るためトピック調査が行われた。
時系列調査結果(二輪車購入ユーザー調査)の主な特徴として以下4点が見られた。
(1)男女ともに「10代のユーザー」が減少、「50代以上のユーザー」が増加、全体として高齢化が進んでいる。
(2)需要形態は「代替」が55%と過半数を占め、「新規購入」は減少傾向にあるものの「再度購入」「増車」はやや増加している。
(3)高速道路のタンデム走行経験者は19%と前回調査(12%)から増加した。
(4)今後の継続乗車意向は89%と前回調査(87%)からやや増加した。
上級免許取得意向では「普通二輪免許小型限定」(4%)が前回調査(3%)から微増した。
トピック調査は二輪車の置かれている現状と将来像について、次の3つの視点から分析した。
(1)二輪車を取り巻く利用環境「三ない運動(乗らない、買わない、免許を取らない)」「二輪車駐車場不足」
(2)ノンユーザーの二輪車イメージと二輪車ユーザーの需要構造の変化
(3)二輪車ユーザーの今後の消費意向とニーズの変化
その結果、主な特徴として以下3点が見られた。
(1)二輪車の有益性・有用性では女性の二輪車ユーザーから「環境負荷の少ない乗り物」「手軽な交通手段」としての価値が求められているのに対し、「趣味財・遊び道具」としての二輪車の価値は男性のユーザーに強く求められている。
ノンユーザーは二輪車を「手軽な交通手段」として捉えている傾向が高い。
(2)二輪車市場の現状では、首都圏の二輪車ユーザーが特に「駅前」「繁華街」での駐車で困っている実態が浮き彫りとなった。
(3)二輪車ユーザーの10代、40代では今後「二輪車の購入費」を充実させたい意向がある。
■自工会ホームページ
2007年度二輪車市場動向調査の概要