国土交通省では、大型自動車のホイール・ボルト折損による車輪の脱落事故防止のため注意喚起を呼び掛けている。
同省によると、平成27年度中の大型車の車輪脱落による事故発生件数は41件におよび、うち1件は人身事故だという。発生件数は4年ぶりに減少しているものの、依然として高い水準で発生している。車輪脱落による事故は11月から3月の冬期に多発しており、また積雪地域での発生件数は23件と半数以上に及んでいる。
また、車輪脱着作業後2か月以内に脱落した件数は30件を数え、車輪脱着作業実施者のうち半数以上が大型車ユーザーであるという。
同省では、冬期の本格的な到来を前に関係団体を通じて大型車ユーザーなどに対し啓発活動を展開していくとしている。
車輪脱落を防ぐ4つのポイント
1.規定のトルクでの確実な締め付け
車輪の締付け方式にはJIS方式とISO方式があります。トルクレンチを用いるなどにより規定の締付トルクで確実に締め付けます。なお、規定の締付トルクについては(一社)日本自動車工業会のホームページでもご覧いただけます。
2.一定走行後(50~100km)の増し締め
締め付け後は初期なじみによってホイール・ナットの締付け力が低下します。
50~100km走行後を目安に増し締めを行います。特にJIS方式のダブルタイヤの場合の締め付け方法については、ご注意してください。
3.日常(運行前)点検での確認
一日一回、運行の前に、ホイール・ボルトの折損や緩み等がないか点検ハンマなどを使用して点検します。
4.専用ボルト及びナットの使用
スチールホイール、アルミホイールの履き替え時には、それぞれ適合するホイール・ボルト及びナットの使用が必要です。 |
【参考】
ホイール・ボルト折損による大型自動車等の車輪の脱落事故防止
車輪脱落事故発生状況
ホイール・ボルト折損による大型自動車等の車輪の脱落事故防止について(国自整第206号)
ストップ!!ザ・車輪脱落事故