中 防 災 第 4 3 号 平成19年12月20日 国土交通大臣殿 中央防災会議会長 (内閣総理大臣) 福田 康夫 降積雪期における防災態勢の強化について 貴殿におかれては、日頃から各般の施策を通じて災害対策の推進に尽力されているところであるが、今なお頻発する災害による死者の発生は、国民生活に大きな不安をもたらしており、災害が発生した場合の「犠牲者ゼロ」を目指し、総力を挙げて対策の強化を図る必要がある。 過去の10年間の自然災害による犠牲者をみると、雪害による犠牲者は434人にものぼり、風水害に続く第二の自然災害となっており、特に、平成18年豪雪では全国の死者が152人を数えるなど、雪害としては戦後2番目の被害となったところである。 また、その要因をみると屋根の雪下ろし等除雪作業中の死者が約4分の3を占め、また、65歳以上の高齢者の占める割合が3分の2に上ることから、高齢者を念頭に置いた克雪体制の整備など、被災者の目線に立って、「何ができていれば犠牲が避けられたのか」という視点からきめ細やかな取組みの充実を図り、雪害による「犠牲者ゼロ」に向けた対策の徹底を図る必要がある。 このため、高齢者が無理をすることなく除雪できる体制の整備や地元のニーズをより一層踏まえた除雪等の支援、克雪住宅の整備促進等、除雪中の事故防止対策の徹底に早急に取り組まれたい。 併せて、これまでのとおり、雪崩のおそれのある危険箇所の巡視・点検の実施、気象等に関する情報の収集・伝達、警戒態勢の強化等に万全を期すとともに、高齢者・障害者等の災害時要援護者に十分に配慮し、特に災害時要援護者関連施設に対しては、平常時、緊急時とも適切な情報提供を行い、警戒避難体制等の防災体制の整備に努められたい。 また、能登半島地震及び新潟県中越沖地震の被災地については、地震に伴う地盤被害の実情を踏まえ、特段の注意を払われたい。 |