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2019/01/01最近の話題

平成31年 年頭所感 西村健二会長理事長



あけましておめでとうございます。
平成31年を迎えるにあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。

本年4月末日には天皇陛下の生前退位、続いて5月1日には皇太子殿下の即位とそれに伴う改元が予定されており、過ぎ行く平成の世を惜しみつつも、来る新時代に向けて研鑽を重ねている方も多くいらっしゃることと存じます。

昨年のわが国におきましては、平成29年11月から平成30年3月にかけて発生した平成30年豪雪をはじめとして、4月には島根県西部を震源としてマグニチュード6.1の地震が発生した島根県西部地震、7月には集中豪雨により西日本を中心に甚大な水害が発生した平成30年7月豪雨、9月には北海道胆振地方を震源にマグニチュード6.7の地震が発生した北海道胆振東部地震など、大規模災害が数多く発生し、国民生活に大きな影響を及ぼしました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧をお祈りいたします。

本年10月には過去2度延期された消費税率の10%への引上げおよび軽減税率制度の導入が予定されており、それに併せて自動車取得税の廃止と環境性能割(燃費課税)の導入も予定されております。これら税制改正による駆け込み需要とその反動減も予想され、日本政府にあっては自動車ユーザーの負担軽減とともに大きな混乱が生じることのないように格段の配慮を賜りたいところです。

IoT機器の普及により、国民生活の利便は更なる向上を遂げているところでありますが、IT化・ペーパーレス化の波は自動車検査登録制度においても到達しつつあります。先ごろ延期が発表されましたが、軽自動車OSS(ワンストップサービス)の運用開始も控えております。また、平成29年4月より運用が開始された継続検査OSSを皮切りとして、2022年には車検証の電子化が予定されております。将来的には運輸支局等への出頭を要しないゼロストップサービス(ZSS)の運用も想定されており、電子化の暁にはZSSの急速な普及と共に一層の業務効率の改善が見込まれます。電子車検証の形態についてはICカード等が検討されておりますが、いずれにせよ、自動車ユーザーはもちろんのこと、我々自動車整備事業者にあっても利便性の高い制度の導入が望まれます。

国内新車販売では、衝突被害軽減ブレーキの新車装着率がメーカー・車種によっては9割に達し、新車販売全体においても6割に達しております。高度化する自動車技術は法制度にも影響を及ぼしつつあります。国土交通省では、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術対策についての検討をはじめ、2021年以降の新型車についてはスキャンツールを用いた車検(OBD車検)を2024年より導入する予定としており、特定DTC(保安基準に定める性能要件を満たさなくなる「故障」に係るコード)が検出された車両を検査不合格とすることとしています。整備事業者はスキャンツールを用いた整備作業とエーミング作業の確実な実施が求められるなど、自動車整備業界に与える影響は非常に大きく、我々は変革期の入り口に立たされています。

東整振は、このように今後到来する自動車整備業を取り巻く環境の変化を鑑み、スキャンツールを活用した総合的かつ効率的な故障診断技術の習得を目的としたスキャンツールステップアップ研修会の開催等を通じ、引き続き業界全体の技術力の向上に努めてまいります。
加えて、事業指導委員会や教育委員会などの委員会組織は専門性の高い部門別の検討事項について議論を重ね、業界イメージの向上や高度化する自動車整備技術に対応し、業界全体の技術力向上につながる各種研修会の検討など、より良い自動車分解整備事業のあり方について調査研究を続けてまいります。
ペーパー車検等の指定自動車整備事業者による不正事案は、残念ながら未だ全国で散見される状況であります。クルマ社会の安全にとって、ペーパー車検や不正改造車の存在は決して許容されるものではありません。根絶に向け、法定研修などの機会を捉えて周知を図ると共に、研修会の実施や巡回相談の利用促進等、一層の整備事業の適正化に向けた取り組みを継続してまいります。

11月には自動車整備業界最大のイベントであります「全日本自動車整備技能競技大会」の第22回大会が催されます。東整振におきましては、それに先立って7月に「第17回東京都自動車整備技能競技大会」を開催いたします。本大会の優勝者および準優勝者は第22回大会の東京代表選手として選出されます。前回第21回大会では、僅かに力及ばず上位入賞にいたらなかったものの、出場選手2名の活躍は記憶に新しいところです。第22回大会におきましても優秀な成績を収めることが出来るよう、関係者の皆様のご協力を賜りたくよろしくお願いいたします。

都整商におきましては、長らく金融事業の柱としてきた「自動車整備近代化資金」事業が昨年3月をもって終了し、厳しい事業環境を迎えるに至りました。事業運営にあたり、引き続き各ブロック・支部の皆様と連携を図りつつ購販事業の拡充と効率化に努めていくと共に、第三次都整商あり方検討会において示された考察やアンケート集計結果、第一次・第二次検討会により提出された過去の提言等を踏まえた上で、今後の組織のあり方について検討を進めてまいります。

購販事業におきましては次世代自動車の整備需要に対応した用品の拡充のほか、自動車ユーザーの安全意識の高まりから需要が急増しているドライブレコーダーや、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故を防止する「誤発進防止システム」など、自動車ユーザーのニーズをとらえた商品の提供を通じ、組合員事業場の皆様にとり収益機会の創出につながる事業に努めてまいります。

自動車整備業賠償共済保険は、かねてより強いご要望を頂戴しておりました商品保険「&Ucar契約」を昨年10月より新たに追加しました。これは販売用の中古自動車について補償を行うものであり、組合員事業場の皆様の安心を担保し、中古車販売事業における一層の活性化に寄与するべく、加入の増加に努めてまいります。

自動車整備業界では、自動車技術の進歩とそれに付随する法制度の変化のほか、人材不足や事業承継、シェアリングエコノミーの普及による自動車保有台数の減少懸念など、様々な課題に直面しています。このような環境の変化に対応していくとともに、両団体の一層の効率化と業界の活性化に努め組織を運営してまいる所存です。

結びにあたり、関係官庁、関係団体、また会員組合員各位の深いご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様方の事業のご繁栄を祈念いたしまして年頭のご挨拶とさせていただきます。

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