平成24年度国家予算並びに税制改正等に関する要望書 社団法人東京都自動車整備振興会 東京都自動車整備商工組合 1.道路運送車両法に定められた点検整備が確実に実行されるよう、担保措置を講じられたい。
【理由】 自動車ユーザー自身や国の認証資格を取得しないで法定検査を受検する、いわゆる車検代行業者等によるユーザー車検は、「平成22年版自動車整備白書」によると全国で323万台となり、継続検査台数3,167万台中10.2%を占め、過去6年の統計のうち、連続して増加を続けている。 平成7年7月に道路運送車両法の一部が改正され、自動車の点検整備は検査の前後を問わない旨が明記されたが、ユーザー車検の多くは点検整備を実施しないで国の検査場に持ち込み、一度検査に合格すると点検整備を実施しない傾向にある。 現在、国においては、検査後の点検整備を励行するよう、ユーザー車検実施者にハガキにより検査後の確実な点検整備を促すよう指導しているが、残念ながらユーザー車検後に点検整備を実施しないままで走行している状態も多く見受けられ、安全確保と環境保全という大きな役割があるにもかかわらず、ユーザー車検の実態は確実な点検整備が実施されていないという現状にある。 首都高速道路における調査によれば、平成22年度中に路上で発生した車両故障は概ね12,000台にのぼり、そのうち約半数は、エンジンや電気・冷却系統、ブレーキ・アクセル等の制動部制御などの装置故障に起因されるものであり、エンジン故障だけをとっても「1日あたり9.2台」も発生していることになる。 また、当会が平成22年6月から平成23年3月にかけて、主に一般道路上を走行する車両の灯火類点灯状況を調査した結果では、対象車両13,500台のうち6.1%に相当する822台に不点灯などの異常が確認されるなど、自動車使用者の保守管理意識の低さを象徴する結果となった。 特に、高速で走行する車両の故障は、重大事故に直結する要因が高いとともに交通渋滞の原因ともなり、自動車排出ガスの増大による周辺環境への影響や運行時間の増加による経済活動への影響も懸念されるところである。 ついては、道路運送車両法に定められた定期点検整備を行っていない自動車ユーザーに対しては、クルマ社会の安全確保と環境保全の観点から、点検整備を確実に実施するための担保措置とともに、前検査を連続して受検する車両に対しては、点検整備の実施が認められない場合、前検査による受検を拒否する等の措置を講じていただきたい。 |